『アジア人物史』が最優秀図書賞に輝く
2024年に開催された「アジア・ブックアワード」で、姜尚中氏が総監修を務める歴史書『アジア人物史』が最優秀図書賞(人文科学・学術部門)を受賞しました。全12巻からなるこの出版プロジェクトは、アジアの歴史を人物に焦点を当てて網羅し、その重要性がいま再評価されています。
アジア・ブックアワードの意義
「アジア・ブックアワード」は、アジア各国の出版文化を豊かにしようとする目的で韓国出版人会議が設立した賞です。現代社会の変化を反映する一般書部門と人文科学・学術部門の二つに分かれ、各部門から選ばれた作品が年間最優秀図書として表彰されます。今回の受賞作品は、『アジア人物史』を含む4冊が選ばれ、アジアの歴史と文化の研究に貢献する一助となることでしょう。
受賞者の声
姜尚中氏は「この8年間は、歴史的大変革の時期であった」とコメント。コロナウィルスの影響や国際的な緊張の中で、彼自身もこの出版の意義を深く考えさせられたと語ります。過去の理解が現在を深く理解するための鍵であるというメッセージは、今の時代にこそ重要なテーマとなっています。
『アジア人物史』の特徴
この書籍は、170名を超す専門家により、10,000名を超える登場人物の物語を展開しています。
- - 幅広い取り扱い: 本書は古代から21世紀までの人物を紹介しており、アジア初の本格的な通史として位置づけられています。
- - 交流の視点: 各国の文化と人物の交流を重視し、従来の視点では埋もれていた歴史的な人物や出来事も詳述されています。
- - 教育への貢献: 新たに改定された高校の学習指導要領に基づき、歴史学習での活用が期待されています。現在の若い世代にもアジアの歴史がいかに重要であるかを伝える材料となるでしょう。
装画の魅力
『アジア人物史』の装画を手掛けるのは、著名な漫画家・荒木飛呂彦氏です。彼の独特なスタイルが、予備知識がない層にも興味を引く要素となり、視覚的にもこの作品の魅力を増しています。
未来への展望
このシリーズは今後も多くの読者に支持され、アジア地域の歴史と文化を深く理解するための手助けとなることが期待されます。歴史を知ることは現在を理解するための第一歩であり、『アジア人物史』がその架け橋として機能することを願っています。
一貫したビジョンのもとに創られたこの書籍は、今後のアジア歴史研究にも決定的な影響を与えるはずです。受賞を機に、さらに多くの読者に興味を持ってもらえることを期待しています。