シリアとレバノンの危機
現在、シリアでは隣国レバノンからの避難者の流入が急増しており、人道危機がさらに深刻化しています。この状況を受け、国際連合の世界食糧計画(WFP)のカール・スカウ副事務局長は、国際社会に対して支援を求めています。
これまでに推定26万人がレバノンの戦闘から逃れ、隣接するシリアに避難している状況です。WFPはこの流れがもたらす食料安全保障の悪化を非常に懸念しており、シリア国内での食料不安が急速に進行していると報告しています。現在、人口の半数以上が食料不安を抱えており、約300万人が深刻な飢餓状態にあります。
スカウ副事務局長は、「シリアの状況は非常に憂慮すべきものです」とし、シリアの人々がレバノンからの避難者を受け入れている一方で、彼ら自身も困難な状況にあると警告しています。「避難者を受け入れている人々の多くは、今年初めにWFPの支援を受けられなかった人々です。暮らしはもはや限界に達しており、国際社会の支援が急務です。」と述べました。
WFPはシリアでの緊急対応を迅速に展開しており、レバノンでの戦闘が激化した後、数時間以内に食料支援を開始しました。国境を越えた避難者が到着するたびに、WFPは受入センターやホストコミュニティに食料を提供しています。これまでに、10万人以上の避難者に支援を行ってきましたが、今後の支援は特にホストコミュニティに向けられる必要があると考えています。
国連は、シリアで新たに支援を必要とする避難民が最大50万人に達するとの予測を立てています。この急増する需要に応えるため、WFPは今後6か月で約5,440万米ドルの緊急支援が必要です。
WFPは、シリアで最大の人道支援機関であり、今回の危機に影響を受けたすべての地域に効果的な支援を届ける能力を持っています。流入する避難民を含む、最も困窮しているすべての人々を支援するために、引き続き全力を尽くします。
このような状況下で、国際社会の積極的な関与が求められています。支援が届かない多くの人々がいる中で、私たちがどのようにこの危機に対処するかが重要な課題です。さまざまな形での支援が必要とされています。私たちも、こうした人々に手を差し伸べることが求められています。