北海道初のZEB Ready取得・中富良野町で新たな教育環境が開校へ

中富良野町、新たな教育環境の幕開け

2025年8月、北海道中富良野町に新しく開校予定の義務教育学校「ラベンダーの杜中富良野町立なかふらの学園」が注目を集めています。この学校は、北海道初となるZEB Ready認証を取得し、省エネルギー環境制御の最新技術を駆使した安全で快適な学びの空間を提供します。

設計・運営を手がけるのは株式会社内田洋行で、校舎全体を管理する中央監視システムの導入が進められています。このシステムはクラウド上に構築されており、教職員がスマートフォンを使って空調や照明を遠隔操作できるため、日々の業務の負担が軽減されるのが特徴です。さらに、教室には太陽光発電システムを導入し、エネルギーサイネージを使って子どもたちがエネルギー消費を学べる設計にもなっています。

教育理念を体現する学校構想

中富良野町の教育理念「心豊かに学び、明日のふるさとをともに創る人を育む」も新校舎に色濃く反映されています。文部科学省に基づく9年間の一貫教育を通じて、異年齢での学び合いや教科横断型の探究活動を促進し、子どもたちが多様な価値観に触れられる環境を整えました。

また、地元・北海道産の木材を多く使用することで、温もりのある空間が演出され、地域とのつながりを強調しています。これにより、そこに通う子どもたちが、郷土に誇りを持ちながら成長する姿が期待されています。

中央監視システムで持続可能な教育環境へ

新校舎の展開として、内田洋行が提供する「Smart Building Integration」が採用され、空調・照明・太陽光発電のデータを一元管理する中央監視システムが構築されています。この仕組みは、エネルギー管理の最適化を実現し、教育活動と省エネ性能を結びつけるものです。特に重要なのは、建物自身が教育の一環となっている点です。教室の中には環境学習のための「エネルギーサイネージ」が設置され、生徒が日常的にエネルギーの重要性を理解するきっかけにもなります。これにより、学校の設計は単なる学ぶ場所を超え、学びを意識的に考える環境へと昇華しています。

新校舎の多様性に富んだ設計

新校舎は、将来の教育活動の変化に適応できるように設計されています。高い可変性と拡張性を持ち、教室の間仕切りや家具がフレキシブルに使用できるようになっています。そのため、異年齢での学びや、特定科目以外での教室の利用も促進されます。これにより、子供たちは自分の興味や学びに応じたカスタマイズされた教育を受けることができるのです。

さらに、学校には教育支援センターも設置され、不登校の児童生徒にも配慮された特別な空間が整備されています。ここでは、リラックスできる環境や温かみのある空間を提供することによって、心身の健康を支える環境を目指しています。

未来を見据えた地域との連携

中富良野町立なかふらの学園は、地域と教育、環境の相互接続を重要なテーマとして掲げています。最新の図書館システムとの連携により、学校と公共図書館の蔵書を一元管理し、子どもたちの読書の環境をさらに充実させています。この取り組みは、教育施設を地域社会の一翼として捉える中富良野町の未来志向を表すものとなっています。

今後も、持続可能な探求がなされ、地域とともに成長し続ける「なかふらの学園」が日本の教育の新たなモデルケースとなることが期待されています。