まなびのあしあと
2025-04-17 10:19:51

TOPPANデジタルが新たな学校生活支援サービス「まなびのあしあと」を開始

TOPPANデジタルが提供する「まなびのあしあと」



TOPPANデジタル株式会社は、子どもたちが抱える学校生活の不安を早期に発見し、支援する新しいサービス「まなびのあしあと」を2025年4月から全国の自治体向けに提供開始します。このサービスは、自治体が保有する教育や健康に関するデータと、子ども自身の日々の心身状態を連携させることにより、支援が必要な児童を特定することを目的としています。

背景



近年、いじめや不登校といった問題が複雑化している中で、2024年の時点で不登校の児童生徒数は34.6万人に達し、過去最高を記録しています。この状況を受け、支援センターやスクールカウンセラーが設置されるなどの支援策が講じられていますが、必要な支援が追いついていないのが現状です。このため、子どもたちの問題が顕在化する前の未然防止が求められています。

このサービスは、健診受診データや予防接種の履歴、出欠の記録などさまざまな情報を統合的に管理し、個々の状況に応じた支援を行うことができます。TOPPANの情報コミュニケーション事業で培った情報加工技術を活かし、個人情報を安全に管理しつつ、心身状態の変化を早期に把握することを目指します。

サービスの特長



  • - ポータルによる心身状態の把握
子どもは専用のポータルに自分の心身状態を日々入力します。興味関心や気分、体調、睡眠時間、朝ごはんの摂取有無などを記録することで、自分自身の心身状態に気づくきっかけとなります。教員はこのデータを確認できるため、児童の変化にも迅速に気づくことができます。

  • - 学術的根拠に基づいた分析
教育データや健康福祉データを十数項目にわたり連携し、欠席日数と相関の高い要因を抽出します。この分析手法は愛知教育大学と京都大学の准教授の協力により開発されており、教育現場に即したルーブリックが採用されています。

  • - アラート機能での早期発見
子どもがポータルで登録したデータと自治体のデータを照合し、心身の状態に乱れを見つけると、教員にアラートが通知されます。これにより、早期の介入が可能となります。

実証実験の結果



福島県会津美里町で行われた実証実験では、約1200人の生徒が対象となりました。約9ヶ月間の分析によって、さまざまな教育・健康関連データから、不登校に繋がる要因として14項目が抽出されました。また、実証を通じて、特に支援が必要と判定された約500名のうち、120人に対して適切なサポートを実施した結果、心身状態にポジティブな影響が確認されました。特に、教員が心身の変化に気づくことで、出席率が向上したことが報告されています。

今後の展望



TOPPANデジタルは、2030年までに全国の約100の自治体へ「まなびのあしあと」を導入し、10億円の売上を目指しています。困難を抱える子どもたちの支援だけでなく、自治体の業務効率化にも寄与することを目指し、同社はさらなる展開を計画しています。

この新しいサービスは、子どもたち一人ひとりの健康と教育環境を改善するための重要な一歩となるでしょう。地域社会における教育支援がますます重要視される現代において、「まなびのあしあと」は大きな可能性を秘めています。


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会社情報

会社名
TOPPANホールディングス株式会社
住所
東京都文京区水道1-3-3
電話番号

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