ITエンジニア年収の急上昇とその要因
株式会社リブセンスが運営する『転職ドラフト』が発表した調査によれば、ITエンジニアへの平均提示年収は過去5年間で147万円も上昇したことが明らかになりました。この調査は2020年から2024年にかけてのデータを分析したもので、特に800万円以上の年収提示が前年比約2.6倍にも達しています。
ITエンジニアの年収が上がった背景
この年収の急増は、ITエンジニアの需要の高まりによるものです。日本におけるITエンジニアの人数は2023年に144万人を超え、市場では人材の供給が需要に追いついていない状況が続いています。今後も2030年までに最大79万人のIT人材不足が予測されています。これにより、企業はより優れたエンジニアを確保するための競争を強いられ、年収提示が高まったと考えられます。
重視されるスキルと経験
調査によれば、特に習得が難しいプログラミング言語やアプリ開発技術が高く評価されています。C++やScalaなどの言語、さらにSwiftやKotlinといったアプリ開発の需要が増加している技術が上位にランクインし、これらの技術を持つエンジニアに対して企業は高額な年収を提示しています。また、エンジニアリングマネージャーとしての経験があるエンジニアも高い評価を受けており、2024年には平均年収900万円に達しています。
多様化する就業スタイルとロール
また、フルリモートでの勤務が依然多い一方で、企業は出社とリモートワークのハイブリッド型を採用する傾向も見せています。最近では月に1~2日程度の出社日を設ける企業も増加しており、リモートワークとオフィス勤務を組み合わせた働き方が求められています。
エンジニアのキャリアパスは多様化
ITエンジニアは、キャリアパスが多様化し、複雑化しています。エンジニアリングマネージャーだけでなく、高い技術力が求められる機械学習エンジニアや、リーダーシップを求めないIndividual Contributor(IC)といった新しい役割が注目されています。このような背景から、キャリア戦略を立てることが重要です。
ハイクラスエンジニア向け特別イベント
このような市場動向を受け、転職ドラフトはハイクラスエンジニアを対象にした特別なイベント「第4回 転職ドラフトスカウト ハイクラス回」を開催します。参加資格は、現年収1,000万円以上の方や、過去に高額な年収提示を受けた経験がある方に限られています。このイベントには、年収1,000万円以上のポジションを持つ企業が多数参加予定で、エンジニアにはさらなるキャリアアップのチャンスが広がるでしょう。
まとめ
転職ドラフトが示すように、ITエンジニアの市場は急速に変化しており、年収も大幅に増加しています。企業は求めるスキルを明確にし、エンジニアも自身のキャリアに合わせた柔軟な戦略を考える必要があります。IT業界におけるキャリアの選択肢は今後も広がっていくことが期待されています。