サイバーセキュリティの実態を探る
株式会社Blue Planet-worksが行った「サイバーセキュリティ実態調査」により、昨今の企業におけるセキュリティ意識が浮き彫りになりました。調査の結果、500名の情報システム担当者のうち、
70.8%が自社のセキュリティ対策に不安を抱いており、
33.0%が過去にサイバー攻撃を受けた経験があることが明らかになりました。この調査からは、経営者と現場の担当者との間に存在する認識のギャップや、対策の必要性が顕在化しています。
調査背景
近年、テクノロジーの進歩と共にサイバー攻撃が進化し、特にランサムウェアやフィッシングメールなどの脅威は企業にとって深刻な問題となっています。こうした状況を受け、Blue Planet-worksは情報セキュリティ業務に従事している500名に対して調査を実施しました。この結果をもとに、セキュリティ対策の現状と課題を明らかにします。
調査結果の要点
1.
サイバーセキュリティ対策の不足感
調査によれば、情報システム担当者の70.8%が自社のサイバーセキュリティ対策が不十分であると感じており、特に「社内のセキュリティ意識を強化したい」との期待が45.4%という結果を示しています。
2.
サイバー攻撃の経験
33.0%の担当者が自社がサイバー攻撃の被害を受けた経験があり、最も多い影響は「業務の中断・遅延」であり、これに約41.8%が該当しました。この結果は、セキュリティ対策の重要性を一層強く印象付けるものとなっています。
3.
事前対策の重視
調査参加者の84.4%が事前の対策が重要であると回答し、最も懸念されるリスクには「システムのロックダウン」の必要性を挙げた人が35%を超えました。
4.
経営者との認識のギャップ
52.4%の担当者が経営者からセキュリティ対策の導入に関する投資を断られた経験があると答え、主な理由として「優先順位が低い」とされています。この不一致が企業のセキュリティ対策を難しくしていると言えます。
5.
EDRの導入状況
EDR(Endpoint Detection and Response)に関しては、22.2%がすでに導入していると回答し、導入予定や検討中の割合は33.2%に達しました。全体の約60.4%がEDRを導入することにより自社のセキュリティ対策が万全になると考えていますが、過信には注意が必要です。
6.
不満点の浮き彫り
サイバーセキュリティサービスに対する不満点として最も多かったのは「コストパフォーマンスが悪い」という意見で、これが27.7%を占めました。この結果から、導入後のサポートやコストの透明性が課題であることが分かります。
経営者へのメッセージ
Blue Planet-worksの取締役、鴫原祐輔氏は、サイバー攻撃は規模や知名度に関わらず、全ての組織にとって避けられない脅威であると述べています。セキュリティは単なる「コスト」ではなく、事業の継続に不可欠な「投資」として認識することが求められています。現在の実態は、経営者がサイバーセキュリティを十分に理解せず、優先順位を低く見積もる傾向が見られるため、今後もその意識改革が必要です。
今後の展望
2025年に向けて、従来の対策だけでは対処できない高度なサイバー攻撃の脅威が増えると予想されます。新たな脅威に対抗するために、企業はセキュリティ戦略の見直しが必要です。依然として平時のセキュリティ対策が最も重要であることを忘れずに、常に先手を打った対策の構築を目指しましょう。
企業がこれからも安全に成長し続けるためには、セキュリティの重要性を改めて認識し、適切な投資を行うことが欠かせません。今こそ行動を起こすべき時です。