かけがえのない「いつも」を守るために
近年、がん治療に関する医療が飛躍的に進展し、例えば経口抗がん剤の普及や入院期間の短縮などにより、がん患者が職場復帰できる可能性が高まっています。しかし、いまだに療養と仕事の両立には多くの課題が残されています。そんな中、アリルジュ株式会社と国立がん研究センターが共同で、がん患者の就労支援に関する研究をスタートさせることが発表されました。
患者と職場の理解不足
がんになった本人や職場の理解が追いつかず、結果として離職を余儀なくされるケースが多い現状があります。第4期がん対策推進基本計画では、医療機関と産業医などが連携し、患者と事業主の間で調整を支援する体制の整備が求められています。このような背景から、アリルジュは新たなソリューション「アリルジュSUPPORT」を開発しました。
アリルジュSUPPORTが目指すもの
このクラウドサービスは、がん患者が在職中に治療を受ける際の支援を主な目的としています。情報共有を円滑に行うことで、担当医と企業の産業医の間で意見をすり合わせ、患者が早期に復帰できるよう支援します。
医療機関・企業・患者の連携
アリルジュSUPPORTを活用することで、医療機関、企業、患者との間での情報の共有がデジタル化され、連携を深めることが可能になります。この取り組みにより、多様化するがん患者のライフプランや労働環境に対して、きめ細やかな対応が期待できます。
共同研究の意義
アリルジュの代表取締役である森下真行氏は、この研究によってがん患者が活き活きと働き続けられる社会の仕組みを構築したいと語っています。同じく、国立がん研究センター東病院の副サポーティブケアセンター長である坂本はと恵氏も、治療と仕事の両立支援をデジタル化することで、従来のアナログ管理では解決できなかった多くの課題に取り組むことが期待されています。
アリルジュの取り組み
アリルジュは、がんに関する社会課題を解決するため、治療に関する情報や就労に関する支援を提供しています。医療機関との連携機能を持つ「アリルジュSUPPORT」は、労働者としての自分と患者としての自分を両立させるための大きな助けとなるでしょう。
サービスの特長
- - がん患者本人の気持ちと企業の意向をすり合わせる機能
- - 医療機関と連携することで得られる復職支援
- - 復職に関する手順の明確化
- - 書類をクラウド上で一元管理することで業務効率を向上
- - 患者本人の状態を把握することで的確なサポートを実施
終わりに
「がんはもう終わりではなく、始まりなのです。」これは、社会全体が共に考えるべき視点です。アリルジュと国立がん研究センターが進める研究は、がんを抱える人々の生活を支えるための重要な一歩です。患者やその家族がかけがえのない「いつも」を守り続けられる社会の実現を目指して、今後の展開に注目です。