商船三井、タイのサイアム・セメント・グループと液化エタン船を契約
商船三井(MOL)は、同社のグループ企業であるMOL ENERGIA PTE. LTD.を通じて、タイの素材最大手であるサイアム・セメント・グループ(SCG)と新たに5隻目の長期用船契約を締結しました。この契約は2025年1月24日に締結した3隻に加え、さらに2隻の液化エタン専用船(VLEC)を新造するものです。
契約の概要
新たに契約する2隻は、2028年に竣工予定で、いずれも韓国の三星重工業にて建造されます。これにより、商船三井グループが管理運航する液化エタン専用船は合計で14隻となります。これらの新造船はエタンの二元燃料推進機関を搭載し、従来の重油を使用した船舶に比べて温室効果ガスの排出を抑えることが可能です。
エタン輸送需要と地域発展への貢献
商船三井グループは、SCG社がベトナムに保有する石化プラント向けのエタン供給を一手に引き受け、ベトナムの石化産業の競争力を高め、同地域の経済成長にも寄与することを目指します。これにより、安定的かつ安全な海上輸送サービスの提供を通じて、エタン輸送の需要に対応していく方針です。
環境への配慮と事業の展望
商船三井は、液化ガス事業で築いてきた高い安全運航管理の経験を活かし、今後、拡大が見込まれるエタン輸送の需要に応えるため尽力します。さらに、グローバルな社会インフラ企業としての競争力を維持し、グループ経営計画「BLUE ACTION 2035」のもとで長期安定利益の積み上げを図るとともに、地域戦略に則った事業拡大を進める考えです。
まとめ
液化エタン船の新造契約は、商船三井にとって大きな成長の一環であり、環境に配慮した持続可能な事業運営を推進する一方、アジア市場における新たなビジネスチャンスを拓くものです。今後の展開に期待が寄せられます。