小田急ビルサービスが全社DXのカギに生成AIを選定
小田急ビルサービスは、業務の品質向上と顧客満足度の向上を目指し、Allganizeの生成AI・LLMアプリプラットフォーム「Alli LLM App Market」を導入することを発表しました。この取り組みは、ビルメンテナンス業界としては初の試みであり、2025年5月からの運用開始が予定されています。
なぜAI導入なのか
小田急ビルサービスは、中期経営計画における重要なテーマとして「DXの推進」を掲げており、労働人口の減少や人手不足といった社会問題に応じた持続可能な事業基盤の構築を目指しています。これまでにも、東京都内の総合ビルメンテナンス会社として初めて経済産業省から「DX認定事業者」としての認定を取得するなど、DX施策に力を入れてきました。こうした背景から、業務の標準化と生産性向上を実現する手段として「Alli LLM App Market」が選ばれました。
Alli LLM App Marketの特長
1. 業務ニーズに合わせたアプリ開発
「Alli LLM App Market」は、ノーコードで業務に応じた生成AIアプリを簡単に作成できるため、部門ごとのニーズに即した業務効率化や自動化が迅速に行えます。この市場の中で、生成AIアプリの拡張性とカスタマイズ性が高い点が評価されました。
2. 瞬時にわかる回答根拠
同プラットフォームの特徴として、生成された回答と共にその根拠となるファイルや該当ページがハイライト表示される機能があります。これにより、複数の資料を調査する必要がなくなり、迅速な情報確認が可能になります。
3. ユーザー数に依存しない料金体系
他の多くの生成AIツールがユーザー課金型であるのに対し、「Alli LLM App Market」は利用量に基づく料金体系を採用しています。これにより、従業員の数に依存せず、全社的な導入をコストパフォーマンスの面でも行いやすくなります。
4. 安心のサポート体制
トライアル段階から厚みのあるサポートが提供され、機能だけでなく、ビジョン達成に向けたサポートもあるため、高い信頼性があるとされます。
活用予定の業務
小田急ビルサービスは段階的に「Alli LLM App Market」を展開していく計画です。初期段階では報告書や稟議書の作成支援、AIチャットボットによる社内問い合わせ対応の自動化、さらには採用業務の効率化などを進めることにより、全体の業務生産性を向上させる方針です。
小田急ビルサービスの期待
常務取締役の石原剛氏は、ビルメンテナンス業界が直面する労働力不足や働き方改革に対し、積極的にDXを進める姿勢を強調しています。特に、「Alli LLM App Market」の導入が業界に先駆けて行われることに対して嬉しいと述べ、今後の業務プロセスに生成AIを組み込むことで新しい働き方を確立し、お客様満足度の向上と持続的な企業成長を目指す考えを示しました。
Alli LLM App Marketのシステム概要
「Alli LLM App Market」は、100以上のプロンプト不要の生成AIアプリやノーコードアプリビルダー、企業向け独自RAGシステムなどを一つに集約したプラットフォームです。これにより、業務の効率化や高度化が期待され、各企業は自社の業務やデータに特化したアプリを容易に構築することができるようになります。AIモデルはOpenAIやMicrosoft、Google、Anthropicなど多様に選べ、ニーズに応じた利用が可能です。
小田急ビルサービスの「Alli LLM App Market」の導入は、業界の将来にとって大きな一歩となるでしょう。生産性向上に向けた新たな挑戦が、今後のビジネスシーンをどのように変えていくのか注目が集まっています。