コンゴ民主共和国北キブ州マシシで、国境なき医師団(MSF)が運営する医療施設が2月20日、銃撃を受けました。この事件により、MSFのスタッフが重傷を負い、避難していた子どもも軽傷を負いました。人道援助の現場でこのような暴力が発生することは、国際人道法に明らかに反する行為であり、MSFは強く抗議しています。
MSFの北キブでの活動責任者ステファン・ゲートゲブア氏は、「銃弾を受けたスタッフは危険な状態で、数週間にわたりマシシで繰り返し銃撃を受けている」と語りました。この施設は、戦闘から逃れた多くの人々が避難する安心の場であるはずですが、現実はその逆の状況に置かれています。最近数週間、マシシの町では、コンゴ国軍と「3月23日運動(M23)」の戦闘が続き、MSFが支援する病院には多数の重傷者が運ばれています。
コンゴでは、国際人道法の原則に従い、人道援助と医療の活動が守られるべきです。しかし、銃撃事件が続く中、患者や医療関係者、援助スタッフの安全が軽視されているのが現状です。ゲートゲブア氏は「このような暴力が繰り返されることは許されない」と訴えています。また、MSFは、医療施設への攻撃が続いている現状を踏まえ、今後の活動についての再検討が必要であると自らの立場を強調しました。
過去数週間にわたり、マシシ病院近くでは深刻な事件が続発しており、特に1月の16日には病院前での銃撃により1名が死亡しました。さらに、月末には流れ弾で保健省の職員が負傷するなど、医療施設は攻撃の対象となるリスクを抱えたままです。MSFは2007年からこの病院を支援しており、最近の紛争によって多くの負傷者が運ばれてきている現実が、医療と人道的ニーズを一層高めています。
国際社会にも訴えかけるMSFの姿勢は、今後の人道援助のあり方に大きな影響を及ぼすことでしょう。これ以上の暴力行為がこの地域に及ぶことは、確実に地域住民や医療スタッフにとって致命的な結果をもたらしかねません。MSFの活動が安全に行われるためには、国際人道法の順守が必要であることを改めて訴えたいところです。