ハイブリッド会議の新たな視点
デンマークのコペンハーゲンを拠点にするオーディオおよびビデオ技術ブランドのJabra(ジャブラ)が、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)との共同研究を通じて、ハイブリッド会議における参加者の視認性が集中力やエンゲージメントに与える影響を解明しました。この研究は、500分以上のビデオ会議録画を用いて分析され、参加者が「見られている」という意識が、会議内容に与える影響が具体的なデータとして示されました。
目に見える参加者の強さ
調査結果から明らかになったのは、ハイブリッド形式の会議において「良く見える人」は55%の時間、集中を維持していたのに対して、「見えにくい人」はわずか34%の時間しか集中できていなかったということです。この結果から、視認性の向上は参加者の集中時間を約1.6倍も増加させることが分かったのです。
さらに、参加者の表情や感情表現にも著しい違いが見られました。「見える」参加者は会議中、集中的な表情を21%の時間保持していたのに対し、「見えにくい」参加者はその半分の10%にとどまりました。つまり、視認性があることで参加者は参加意欲を高め、より積極的に会議に貢献する傾向にあることが分かります。
感情表現の重要性
会議中の感情表現が視認性によって大きく変わるという結果も驚きです。「見えない」参加者は会議中の98%で無表情だったのに対して、「見える」参加者は92%も無表情を減少させ、多様な感情を見せていました。このように、視認性の高い参加者がいることで、会議の雰囲気が明るく活発に変わることが確認されました。
覚醒度の向上
また、注意力を測るために行われたスコアテストでも、「見える」参加者が6点、「見えにくい」参加者が5点を記録しました。これは、視認性が参加者のやる気や集中度の向上に直接結びつくことを示しています。
なぜこのような違いが生じるのかについて、研究を監修した心理学者のサイモン・ノイス博士は、他者から見られていると感じることで、参加者は集団一員である意識が高まり、自然と良いパフォーマンスを発揮しようとするからだと説明しています。
Jabraのコメント
Jabraのエンタープライズビデオ事業部SVPであるホルガー・ライジンガー氏は、今回の調査結果がハイブリッド会議での視認性が重要な要素であることを改めて裏付けていると語っています。「参加者は他者から見られていることに意識的になることで、会議への集中力や積極性が高まる」と強調されています。
Jabraのビデオ会議ソリューション
Jabraは、ハイブリッド会議の効率的な運営を支援するデバイスも展開しています。PanaCastシリーズは、全ての参加者を高品質で映し出し、会議の活性化を図ります。独自の180度画角により、会議スペースにいる全員を無駄なく捉え、臨場感のある体験を提供することで、コミュニケーションの質を向上させています。
この研究結果とJabraの技術が、今後のハイブリッド会議における新たなスタンダードを生み出すことが期待されています。視認性が会議の質や参加意欲を高める要素として、今後も多くの企業で注目されることでしょう。