三菱UFJアセットマネジメント、AIシステム導入による顧客サポート強化
2024年1月、新しいNISA制度の開始に先駆け、三菱UFJアセットマネジメント株式会社は、カスタマーサポートの向上を目的に「KARAKURI」シリーズを導入しました。これはカラクリ株式会社が提供するAIシステムで、顧客の自己解決ニーズに応えるためのものです。
導入の背景
金融業界では、資産運用への関心が高まる中、お問い合わせの増加が見込まれています。三菱UFJアセットマネジメントは、この流れに備え、以前から体制の強化を進めてきました。投資信託を持つ人が増えることで、商品の仕組みや運用状況に関する質問が増えることが予測されているためです。2023年度から、「コールセンター」から「コンタクトセンター」へと名称を変更し、電話を利用した問い合わせだけではなく、他のさまざまな顧客対応を目指しています。
KARAKURIシリーズの役割
この度導入されたKARAKURI smartFAQとKARAKURI chatbotは、Webサイト上に設置され、顧客からの疑問に対して幅広く応えています。
- - KARAKURI smartFAQ: 従来のFAQページにAIによるキーワードサジェスト機能を加えることで、検索しやすく、自己解決力を高める支援を行います。
- - KARAKURI chatbot: 各ファンドごとのページに設置され、顧客の行動を可視化し、困りごとの詳細を把握できるようにします。
このシステム導入によって、FAQの閲覧数は導入前比で1.5倍に増加し、自然検索からの流入も促進されました。これにより、顧客は自己解決をしやすい環境が整いました。
導入効果
管理画面の使いやすさが向上したことで、運営にかかる負担も軽減されました。さらに、チャットボットの回答を自動で診断するAI機能が導入され、運用効率が向上したとのことです。
三菱UFJアセットマネジメントの思い
三菱UFJアセットマネジメントのカスタマー・コミュニケーション部の佐藤知美さんは、KARAKURI導入の意義について、「投資家に利用してもらいやすいツールが必要だと考え、大規模言語モデルに注目しました」と話しています。導入後、ユーザビリティが向上し、FAQの閲覧数が増加したことに加え、チャットボットを通じて顧客が求める情報の詳細をより深く理解できるようになったと語っています。このような環境が整うことで、顧客層の多様性にも対応できる体制が整いつつあるのです。
企業概要
三菱UFJアセットマネジメントは、三菱UFJフィナンシャル・グループの一員として、資産運用サービスを提供しています。設立は1985年で、東京都港区に本社があります。幅広い人々から信頼を得るべく、ニーズに応じた多様な資産運用サービスを展開しています。
カラクリ株式会社は「FriendlyTechnology」を掲げ、顧客サポート向けAIシステムを提供するスタートアップです。2018年からAI技術の研究を行い、数々の業界のトップ企業にシステムを導入してきました。今後も両社の連携が、顧客体験を向上させる重要な要素となるでしょう。