ゴールデンウィークの駐車場検索データから見る大都市離れの実態

ゴールデンウィーク時の駐車場検索データが示す新たな傾向

パーキングサイエンス株式会社が運営する無料のポイ活機能付き駐車場検索アプリ「P-Collection」の利用データを基に、2024年および2025年のゴールデンウィーク、すなわち5月1日から6日にかけての駐車場検索件数の変化を分析しました。その結果、全国的に検索数は前年より減少傾向にあり、特に東京都、大阪府、福岡県などの大都市圏で著しい落ち込みが見受けられる一方、地方の特定地域では逆に検索件数が増加するという対照的な動きが観察されました。

この傾向からは、ゴールデンウィーク期間中に都市部を避ける“大都市離れ”が進行していることが考察されます。都市部の混雑を避ける傾向は、近年の観光行動に多くの影響を与えており、地方の観光地や周辺地域への注目が高まっていることが示唆されています。また、地方での検索数の回復は、観光需要の再活性化や新たな「分散型旅行」への関心を反映しているのかもしれません。

調査概要と分析結果

この調査で使用されたデータは、「P-Collection」アプリ利用ログで、対象期間は2024年及び2025年のゴールデンウィークの6日間。その際の全国47都道府県における検索件数が指標として用いられました。以下のような調査結果が得られました：

- 47都道府県中37都道府県で前年より検索数が減少。特に東京都では27％、大阪府では46.9％、福岡県では42.5%の減少が見られました。
- 全国平均で前年比約36％の減少となっていますが、一部の地方都市では増加も観察されました。

変化の要因

今回の分析から、都市部での検索件数減少と一部地方での回復という対照的な動きが確認されました。これにはいくつかの理由が考えられます。

1. 行動様式の変化: 2025年のゴールデンウィークでは、都市部を避ける「分散型旅行」や「近場消費」がより進む可能性があります。特に石川県や高知県、宮崎県などでは前年に比べて検索件数が著しく増加しており、観光需要の回復が表れています。

2. ユーザーの検索行動の変化: アプリを頻繁に使用する常連利用者は、目的地周辺の駐車場情報を把握しているため、アプリの検索機能を用いる必要がなくなります。そのため、大都市における検索件数の減少がより顕著に現れている可能性があります。

3. 地方での需要増加: 地方での検索件数の増加は、観光客の増加やアプリの新規ダウンロードによるものとも思われます。初めて訪れる地域では、駐車場情報の検索が重要であり、これが検索件数増加の一因となっているでしょう。

今後の展望

パーキングサイエンス株式会社は、「P-Collection」ユーザーの駐車場検索傾向を活用し、地域の観光動向や都市交通のニーズを把握していくことを目指しています。これにより、地域活性化の一助となる情報提供ができることを期待しています。

「P-Collection」は、国内最大級の駐車場情報データベースを基にした検索アプリであり、ユーザーの希望条件に応じた駐車場の情報を簡単に検索できます。特に「停めやすい」駐車場を数値化した機能があり、運転が苦手な方でも利用しやすい点が特徴です。