魚食と持続可能性
2025-01-17 11:23:40

持続可能な漁業と消費者意識、世界23カ国からの調査結果

水産物消費と環境意識:世界的な視点から



魚介類についての消費者意識は、世界中で講じられる様々な調査によって注目されています。特に、国際的な非営利団体である海洋管理協議会(MSC)が行った最新の調査結果からは、このトピックに関する興味深い結果が得られました。調査は23カ国、合計27,000人の消費者を対象に実施され、魚食に対する意識や環境問題に関する考え方が明らかになりました。

消費者の健康志向と魚介類の栄養価



WHO(世界保健機関)によると、魚介類は健康に多くの利点をもたらすとされています。特に、週に2回以上の魚介類の摂取が推奨されています。調査結果では、ポルトガルが49%と抜群の数字を示し、日本でも45%が2回以上の摂取を行っていることがわかりました。しかし、環境への意識が高まっている一方で、日本では19%の消費者が過去2年間に食生活を変えたと回答しており、これは調査国平均の43%には遠く及ばない結果でした。

魚介類消費における価格と環境意識のトレードオフ



調査では、消費者が魚介類をより多く摂取するための条件として、最も多くの人が「より低価格であること」を挙げました。その理由は特に日本において顕著で、64%が支持しています。次いで「海に害を及ぼさずに生産されていること」が27%、そして「買い物の際に手に入りやすいこと」が23%となっています。また、日本では健康に関する情報が多い場合に33%が食べる意欲を感じると回答しています。

物価高や環境意識が高まる中、消費者が魚介類の選定にどのような基準を持つのかは、今後の動向にも注目です。特に、健康志向が強い日本の消費者は、より潜在的な健康効果を見極めながら選択を行っていることが示されています。

持続可能な漁業と海のエコラベル



水産物の持続可能性は、今後の世代に資源を残すために重要です。世界全体で見ても、現在約38%の水産資源が過剰漁獲の状態にあるとされ、その数字は年々悪化しています。このような状況の中、MSCの「海のエコラベル」を受けた水産物を選ぶことは非常に重要です。エコラベルは、持続可能な漁業によって獲られた水産物に認められ、消費者に安心して選んでもらえる基準を提供しています。

また、調査結果では、水産物の栄養価が高いだけでなく、生産過程におけるCO2排出量が赤身肉よりも少ないことも強調されています。これは、環境への負荷を軽減しながら食生活を豊かにするための重要なポイントです。

今後の動向



現在、MSCジャパンを含む多くの機関が持続可能な漁業の重要性を広めており、多くの店舗でMSC認証商品が販売されています。例えば、イオングループやマクドナルドなどでは、持続可能な漁業から来た水産物が手に入ります。これにより、消費者も意識的に選択を行う機会が増え、持続可能性への理解が高まることが期待されています。

最後に、消費者意識調査についての詳細なレポートは、MSCのウェブサイトにて公開されており、興味がある人はぜひご覧ください。水産物を食べることが未来の持続可能な社会にどのように寄与できるか、消費者としての選択が求められています。

以上が、最近の消費者意識調査から見えてきた魚食の実態と持続可能な漁業の重要性についてのまとめです。魚介類を通じて、日々の食卓に健康と環境を考慮した選択を取り入れることが求められています。


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会社情報

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一般社団法人MSCジャパン
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東京都中央区日本橋兜町9-15兜町住信ビル3階
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