リスキリングを活かしたキャリア形成の現状
近年、働き方が変化する中で、スキルの再習得、すなわちリスキリングに注目が集まっています。株式会社マイナビが実施した「リスキリングに対する意識調査」では、800名の正社員を対象にリスキリングの状況や意識について深掘りされました。以下、その結果を詳しく見てみましょう。
リスキリングの実施状況
調査によると、正社員の約4人に1人がリスキリングの経験があることが明らかになりました。特に年収1,000万円以上の層では、リスキリングを経験した人が半数を超えています。一方で、年収1,000万円未満ではリスキリング経験者は約30%と、年収とリスキリング経験には一定の相関があることが分かります。
この結果は、リスキリングがキャリアに与える影響を示しており、高年収な人々が新たなスキルを磨く意識を持っていることを示しています。
リスキリングの成果とメリット
リスキリング経験者の約71.6%が「良かった」と感じており、最も多い理由として「自己成長・自信が得られた」が挙げられています。他には、「仕事の幅が広がった」「収入が上がった」といった意見もあり、リスキリングがもたらすポジティブな影響が伺えます。自身のスキルを磨くことで、転職や昇進の機会も増え、キャリアアップにつながる可能性が高まります。
教育訓練休暇給付金制度への期待
また、7000人以上の正社員の3分の1が「教育訓練休暇給付金制度」の活用を考えています。この制度は、一定期間リスキリングに専念できる環境を整えており、賃金の一部が支給されるため、働く人にとっては大きな助けとなるでしょう。
一方で、現在の職場でリスキリングのために休暇を取得することに不安を感じる人も多く、53.1%は「会社に言い出せる雰囲気ではない」と答えています。このことから、実際に制度を活用するには職場の理解も必要ということが明らかです。
リスキリングに関するハードル
リスキリングを希望する人たちが抱えるハードルも明らかになりました。「時間の確保が難しい」とする声が最も多く、アクティブにスキルを学ぶためには、時間と費用の両立が求められます。また、リスキリングのための費用負担に対しては、50,000円未満が許容できるという回答が多く、経済的な負担の軽減も重要なポイントです。
今後の展望
変化が激しい社会においてスキルアップを目指す人々が存在する一方で、リスキリングを実現するための環境整備が急務です。企業側としても、スキルアップを希望する従業員の意欲を理解し、支援体制を整えることが求められています。
『マイナビ転職』の調査結果は、今後のキャリア支援や教育制度に対するインサイトを与えてくれるものであり、リスキリングが私たちの働き方をどのように変えるのか、引き続き注目していく必要があります。