M&A BASE株式会社が運営するサーチファンド「M&A BASEサーチファンド1号投資事業有限責任組合」は、サーチャーの伊勢裕樹氏が徳島県吉野川市に本社を置く株式会社アクトを承継したことを発表しました。アクトは、無機粉末凝集剤「水夢」やアルカリ廃水用液体中和剤「融夢」を製造・販売しており、汚水・汚泥処理事業において信頼を受けている企業です。
この事業承継では、伊勢氏が新たな代表取締役に就任し、前社長の尾北俊博氏は顧問として経営に参加します。尾北氏は、1970年代のバブル崩壊後に建設業から異業種へと転換し、環境事業部門を設立。独自の技術力による製品開発に成功させ、顧客数を増やすことに貢献してきました。
新社長の伊勢裕樹氏は、製造業における売上や利益率の向上に関する戦略的な思考や分析力、オペレーション改善のノウハウを持っています。彼は自営業として美容商品の販売に携わり、大きな成長を遂げた経営者としての実績もあります。これに加え、海外MBAでの経験を活かし、アクトのさらなる成長を目指しています。
M&A BASE社のサーチファンド部門責任者である岡野健三氏は、伊勢氏の経営者としての能力とアクトの優れた事業基盤を結びつけることで、持続的な成長を支援することを目指しています。
今後、伊勢氏はアクトの主力商品である「水夢」や「融夢」の販売拡大に向けて組織を強化し、デジタルマーケティングを含む集客施策の実施を通じて事業の成長を図る考えです。また、技術面での先進性を活かし、環境への貢献を更に高めることで、新たな市場への展開を目指すとしています。
サーチファンドとは、中小企業の経営者候補が事業を探索し、資金提供を受けて買収・承継する仕組みであり、日本においても注目される投資手法です。これにより、優れた経営者と承継が必要な企業を結びつけ、円滑な事業承継を実現することが期待されています。
新たなスタートを切ったアクトは、伊勢氏の強いリーダーシップのもとで、さらなる成長を果たすことが期待されます。環境事業の発展に寄与することを目指し、未来へ向けた新たな展開が待ち構えています。彼の経営ビジョンがどのように実現されるのか、今後の動向に注目したいところです。