荒井由実からユーミンへの道を辿る新刊書籍の魅力と背景
音楽界のアイコン、松任谷由実(ユーミン)が新たなオリジナルアルバムを発表し、全国ツアーも発表された。ユーミンこと松任谷由実が名義を「荒井由実」として最後にリリースしたアルバム『14番目の月』は、彼女のキャリアの中で特に重要な作品で、1976年のリリース以降、多くのリスナーに愛されてきた。このアルバムは、ユーミンの音楽キャリアのスタート地点としても認識されており、今でも「中央フリーウェイ」や表題曲のような名曲が数多く収められている。
このたび、株式会社平凡社から発売される書籍『ユーミンと「14番目の月」──荒井由実と女性シンガー・ソングライターの時代』により、荒井由実からユーミンへの道や、彼女が活躍した音楽シーンについて新たな視点が提供されることになる。著者のラッセ・レヘトネン氏は、フィンランド出身の日本音楽研究者で、日本のポピュラー音楽に関する深い知識と分析力を持つ。
書籍の内容と意義
本書では、アルバム『14番目の月』の楽曲分析を中心に、同時代の女性シンガー・ソングライターたちとの関係や、当時の社会情勢、特にウーマンリブ(第2次フェミニズム運動)との関連も深掘りされている。また、著者がこのアルバムを選んだ理由はその音楽的多様性と独自性だけでなく、歴史的な観点からもユーミンのキャリアや日本の音楽に新たな視点を与えることにあるという。
彼女のアルバム『14番目の月』は、オリコンで1位を獲得し、ドライブミュージックとしても知られる名曲がそろい、ただの音楽作品以上の存在感を放っている。このアルバムの持つ時代の精神を、ラッセ氏は効果的に論じ、ユーミンの魅力を新たに発見する手助けをしてくれるだろう。
著者と訳者について
本書の著者ラッセ・レヘトネンは、フィンランド学士院研究員やヘルシンキ大学の准教授としてアジア研究や音楽学の講義を行っており、豊富な知識と見識を有している。彼の視点から語られるユーミンの音楽は、単なる懐古ではなく、現在のリスナーにとっても古びない魅力を持っている。
翻訳を手掛ける加藤賢氏とアニータ・ドレックスラー氏もまた、ポピュラー音楽や文化政策の専門家であり、豊かな視点が本書に新たな深みを与えている。日本の音楽ファンには待望の一冊になること間違いない。
本書の購入情報
2025年3月24日の発売に向けて、書籍はパラパラとめくるとその魅力が一層引き立つ仕様。その内容は、ユーミンファンのみならず、音楽研究に興味があるすべての人々におすすめできる。
平凡社の公式ウェブサイトでの予約購入が可能なので、ぜひチェックしてみてください。
音楽の力で心を温めるユーミンの世界をもう一度、じっくりと見つめ直すためのこの書籍、あなたの書棚に加える価値がある一冊です。