サウジアラビアのアラムコ・スタジアムが新たに建設計画
サウジアラビアのアル・ホバール市に、2027年に行われるアジア最大のサッカー大会の会場となるアラムコ・スタジアムが建設されています。このスタジアムの膜部分の設計、製造、施工を手がけるのは、東京と大阪に本社を持つ太陽工業株式会社。ドバイの現地法人であるTaiyo Middle East LLCを通じて受注が決まりました。サウジアラビアのスポーツシーンを新たに彩るこの建物の詳細に迫ります。
スタジアムの特徴
アラムコ・スタジアムの収容人数は約47,000人で、多目的施設として設計されています。そのデザインは、アル・ホバール市の海岸で見られる渦潮の形状を取り入れており、非常に有機的で魅力的な外観が期待されています。施工には優れた性能を持つPTFE膜が使用され、軽量かつ耐久性に優れています。この膜は、自然光を取り込みながらも効果的に熱を抑えられるため、観客に快適な環境を提供します。
技術的な優位性
PTFE膜は、フッ素樹脂でコーティングされたガラス繊維織物からなる複合材料です。この素材は、世界初の恒久膜構造物として知られるラバーン大学にも使用されており、数十年にわたってその性能が証明されています。引張構造に優れ、さまざまな曲面形状を形成可能で、スタジアムの複雑なデザインを可能にしています。
また、膜の施工は2026年1月から開始され、同年の夏には完成を目指しています。アジア大会に向けた準備が進む中、このスタジアムは南アジアや中東地域のスポーツイベントの中心地として注目を集めていると言えるでしょう。
サウジアラビアのスポーツシーンの未来
アラムコ・スタジアムが完成すると、2034年に開催される国際的なサッカー大会でも重要な試合が行われる予定です。このスタジアムは、サウジアラビア国内のプロサッカークラブ「アル・カーディシーヤFC」の本拠地としても機能します。これにより、地域のスポーツ文化や経済も大きく盛り上がることが期待されます。
太陽工業の国際的な進出
太陽工業株式会社は、これまでもカタールのハリーファ国際スタジアムやアメリカのメルセデスベンツスタジアムなど、世界中のスタジアムプロジェクトに携わってきました。今回の受注は、中東地域での企業の評価をさらに高めるものであり、持続可能な建築と快適な環境作りに貢献する意義深い一歩となるでしょう。
このように、アラムコ・スタジアムの建設はサウジアラビアに新しいスポーツの風景をもたらすだけでなく、太陽工業にとっても国際的な信頼を高める機会となるでしょう。完成後、多くの来場者を迎え入れることになるこのスタジアムの今後が非常に楽しみです。