株式会社フォーカスの新卒採用戦略
オリジナルグッズ製作サイト「CLAT-JAPAN」を運営する株式会社フォーカス(本社:山梨県甲斐市)は、近年新卒採用にシフトし、その成功を収めています。本記事では、同社の背景や経営方針、そして現在の採用戦略を詳しく解説します。
フォーカスの歴史と成長
株式会社フォーカスは、2009年に創業し、学校の文化祭や企業のイベントで使われるオリジナルデザインのTシャツを提供する会社としてスタートしました。創業者の常松憲太氏は、元々様々な職を経験した後、卒業記念品を扱う企業に長年勤務し、独立しました。彼の目の前には、学校からの感謝の声があり、その度に本事業の深い価値に気づいていったのです。
2012年には、オリジナルTシャツ事業に特化する道を選びました。その結果、業績は順調に伸び、2015年には売上が10億円を超えましたが、その後、コロナ禍の影響を受け、一時は経営危機に直面しました。学校行事の中止や生徒たちの退職が相次ぎ、2020年には大幅な倒産の危機を迎えましたが、同社は国の支援を受け、工場の設備投資や社員の給与を見直し、2021年には売上を14.7億円にまで回復させました。
現在、フォーカスは安定した成長を続けており、2024年には売上高が約33億円に達すると見込んでいます。
新卒採用への挑戦
フォーカスは2023年から新卒採用を始めました。これまでの中途採用からの転換は、山梨県内の労働人口の減少から必要な人材を確保するための戦略として選ばれました。発表によると、2023年には14名の新卒者を採用しましたが、早くも中途採用の時期に比べて高い定着率を示しています。これは、新卒者が企業文化に適応しやすいことを示唆しています。
常松氏は、採用活動の前に自らが会社説明会に登壇することで、将来の展望を学生たちに直接伝える機会を作っています。これは、マーケティング戦略の一環でもあり、「社長自身が学生の目の前で語ることが、他社と差別化できるポイント」と考えています。
成長する企業の給与体系
フォーカスでは、初任給を42万円に設定しており、企業としての魅力をアピールしています。しかし、高給にともなう不安も解消するために、最終面接で社長自身が詳細な経済資料を示して説明しています。この透明性が、社員にとって安心材料となり、実際に2年目以降の社員は違和感なく職務を行っています。
この給与体系により、各社員が生み出す付加価値は少なくとも業界の平均を大きく上回っていると常松氏は自信を持っています。彼は、今後も優秀な人材を確保するために先行投資の重要性を強調し、「学生が企業での未来をつかめると信じられるような環境を整備していく」姿勢を示しています。
採用における重要な資質
採用活動において、常松氏は「学習能力」と「企業規模」を重視しています。特に、成長する企業においては、自ら学び続ける力が重要です。高学歴の人材が多くこの特性を持つとされ、それ故に競争が激しい新卒採用市場でも、成長力のある企業としてアピールできています。
結論
フォーカスは、独自の新卒採用スタイルによって若手人材を確保し、同時に企業成長を実現しています。「集う価値に彩りを」を掲げ、未来へ向けたビジョンを持ち続ける同社は、今後も注目され続けるでしょう。新たな挑戦として、2025年の売上41億円を目指し、さらなる躍進を期待されます。
会社概要:
- - 企業名:株式会社フォーカス
- - 本社所在地:山梨県甲斐市篠原984-1
- - 設立:2009年5月14日
- - 従業員数:133名(2024年9月1日時点)
- - 事業内容:オリジナルプリントウェアの販売