日本生協連の2025年度方針と2024年度実績を発表
日本生活協同組合連合会(日本生協連)は、2025年度に向けた事業方針と2024年度の実績を記者会見で発表しました。この会見では、全国生協の事業概況や宅配事業、店舗事業の取り組み、さらに環境への配慮についてが詳しく説明されました。
宅配事業の現況
2024年4月から11月の期間中における宅配事業は、前年に比べ供給高が上昇しました。具体的には、受注高が前年比101.2%、利用単価は102.5%に達しました。利用人数と点数に関しても回復の兆しを見せている一方で、依然として点単価の上昇に依存している状況です。
改善提案や実施実測、検証結果を生協全体で共有する「宅配センター標準化スクール」の取り組みに続き、AIを用いた配達コースの最適化も進んでいます。これは、走行距離を短縮し業務の効率化を図る狙いです。また、若年層に宅配サービスを体験してもらうための「TRY CO・OP」サイトも展開されており、幅広い層へのアプローチを目指しています。
店舗事業の状況
店舗事業においても良好な指標が示されました。特に、物価高騰の影響を受け、実質賃金が低下する中でも客単価は伸長しています。グローバルなイベントの再開や自然災害による特需、原材料費の高騰などが影響し、供給高は前年に比べ102.1%を記録しました。しかし、利用点数は依然、前年を下回る難しい状況です。また、新規出店は校舎の建築コスト上昇の影響で4店舗にとどまりましたが、既存店のサービス向上には力を入れています。
特に、セルフレジの導入や宅配ステーションの設置が進んでおり、来店客への利便性を高める取り組みが行われています。
2025年度の取り組み
2025年度には「推しコープ全国キャンペーン」を展開し、組合員の支持を集めることを計画しています。このキャンペーンでは、従来の価格訴求に加え、「価値訴求」への取り組みが強化され、全国の生協のマスコットキャラクターもイベントを盛り上げる予定です。特に、冷凍食品の取り扱いが重要視され、組合員のニーズに応える商品展開が見込まれています。
環境への取り組み
日本生協連はエシカル消費対応商品にも注力しており、2024年度の総供給高は前年比108%の2,661億円を見込んでいます。特にエコマーク認定商品やFSC認証商品が支持を集めており、持続可能な社会の実現に向けて着実に取り組んでいます。
主なヒット商品
2024年度ではいくつかのヒット商品が発表されました。牛すじ煮込みや水産ミールキット、冷凍食品では老舗ブランドとのコラボ商品が好評を博しています。これらの製品は、利用者の多様なニーズに応えるために開発され、品質と価格の両面で好評価を受けているのです。
まとめ
日本生協連の記者会見を通じて、宅配事業と店舗事業の戦略、さらには環境配慮の取り組みが一層強化されていることが明らかになりました。2025年度に向けた新たな挑戦に期待がかかります。