ワコールの革新技術「Melooop」:ファッションの未来を拓く
日本の下着メーカー、ワコールが持つ独自の立体成形技術「Melooop(メループ)」が再び注目されています。この技術は、不織布を用いた製造法で、2026年春夏のパリ・ファッションウィークにおいて、ファッションブランド「doublet(ダブレット)」と協業した新作を発表することが決まりました。これにより、ファッション界における「Melooop」の存在感がさらに強まります。
技術の進化とコラボレーションの魅力
今回のコラボは、2025年秋冬のパリ・ファッションウィークに続くものであり、前回のコレクションから様々な点で進化が見られます。具体的には、前回の卵型ポシェットのデザインやカラー展開が一新され、新しく登場する牛乳パックを模したポシェットも注目です。これにより、「Melooop」が持つ縫い目のないシルエットと立体感が、doubletのユニークなデザインと融合し、新たなファッション表現を可能にします。
デザイナーの井野将之氏は、前回の経験を基に、新たな挑戦を続ける意思を示しています。この共同作業を通じて、「触れたことがない質感」のものを作り出すことを目指しているのです。
Melooop技術の特長
「Melooop」は、ワコールの人間科学研究開発センターによって開発された先進的な技術です。メルトブロー法を利用しており、樹脂を熱で溶かし、細い繊維を生成することが可能です。この方法にはいくつかの利点があります。第一に、素材が単一素材であるためリサイクルが容易です。第二に、材料を無駄にすることなく立体的な形状を形成できる点です。さらに、原料にその場で染色できるため、従来の染色工程を省略できます。小ロットでの生産に特化しているのも冷裁企業にとって魅力的です。
ワコール人間科学研究開発センターの役割
ワコールの人間科学研究開発センターは、設立から約60年にわたり、身体を「美」「快適」「健康」の視点から研究しています。このセンターでの情報は、新製品開発や品質向上の根底を支えており、さまざまなニーズに応える製品やサービスの創出を目指しています。特に、近年では身体と心の関係を探求し、消費者のニーズを満たす新しいコンセプトの提案を行っています。
doubletとの協業の意義
このような技術の進化を背景に、ワコールは「doublet」との協業を強化しています。2024年には経済産業省のファッション人材育成プログラムに採択され、ファッションアイテムの製作において「Melooop」の可能性を探求しています。この取り組みの一部として、ポーチやバッグなどのアイテムがすでに発表されており、今後も更なる製品ラインナップが期待されます。
まとめ
ワコールの「Melooop」と「doublet」のコラボレーションは、ファッションの未来を切り拓く重要な試みです。新しいコレクションは、2026年春夏のパリ・ファッションウィークでの発表を控えており、注目が集まります。技術の進化と独自のデザインが融合した新商品が業界にどのような影響を与えるのか、期待が高まります。