SDN技術を活用したネットワークテスト自動化の実現
沖縄県うるま市に位置する一般社団法人沖縄オープンラボラトリは、4社との共同プロジェクトを通じて、Software-Defined Networking(SDN)技術を応用したネットワークテスト自動化システムの実用化に成功しました。このシステムにより、ネットワーク設計や運用の精度が大幅に向上することが期待されています。
1. 背景と課題
広域網の設定変更作業は、複数の拠点をつなぐため、非常に複雑です。これに伴う設定ミスやトラブルにより、現地での作業が必要になるリスクが常に存在していました。従来の方法では、設定変更後の通信テストにも多くの時間や費用がかかっていました。
データの流れが増大する現代では、手動による確認作業や目視でのチェックは時間がかかり、ミスを未然に防ぐことが困難でした。特に、確認項目が多くなればなるほど、確認作業は煩雑になり、人的ミスを増加させる危険があります。
2. 自動化システムの有効性
今回のプロジェクトでは、沖縄オープンラボが2015年から開発を進めてきたネットワークテストシステムと設定自動化システムを連携させました。これにより、テスト作業が大幅に自動化され、作業者のスキルに依存せず、一定の品質が保持されました。自動化によって次のような効果が確認されました:
- - ログ取得とテスト作業の自動化により、品質保証が向上
- - 幅広いテストパターンの実施を可能にし、設定ミスの早期発見
- - ユーザーへの依存を減らし、各フェーズの作業を自動化
これらの改善により、ネットワーク構築・確認の精度が向上し、作業時間の短縮が実現されました。
3. 開発成果と今後の展望
新たに開発されたスクリプトやテストシナリオは、GitHubにて一般公開されています。関心のある方は、ぜひ試してみてください。また、2017年12月にはOkinawa Open Days 2017にて技術デモも行い、多くの注目を集めました。
沖縄オープンラボは、今後も「クラウドとSDN/NFVの融合」をテーマに研究を進め、技術の国内外での普及・発展に寄与していく考えです。アジア各国との技術交流活動にも力を入れ、多国籍な視点からのアプローチを目指しています。
4. まとめ
沖縄オープンラボラトリの挑戦が実を結び、SDN技術を活用したネットワークテスト自動化の実用性が確認されました。今後のネットワーク運用形態を大きく変えることが期待されるこの技術は、業界全体にとっても大きな意味を持つことでしょう。デジタル化が進む中、多くの企業に恩恵をもたらすこの技術の進展から目が離せません。