静かな退職の実態
2025-02-25 16:06:44

「静かな退職」実践者増加の背景と企業の取り組み・ディスコの成功事例

「静かな退職」実践者の増加とそれに対する企業の取り組み



近年、働き方の多様化に伴い「静かな退職」と呼ばれる現象が増加しています。従業員が仕事に対して持つ意欲や情熱が低下しながらも、企業を辞めずに残り続けることを指すこの言葉。何が背景にあるのか、そして企業はどのように対応すべきかを探ってみました。

静かな退職とは何か



「静かな退職」とは、従業員が自らの意志で職場から完全に離れるのではなく、意欲を失い、最低限の業務をこなす状態を指します。最近の調査によると、このような実践者の割合が増加しており、その結果は働く環境や企業文化の変化に根ざしていると言えるでしょう。特にコロナ禍以降、リモートワークやフレキシブルな働き方が普及したことで、従業員の意識も大きく変わっています。

トークセッションの実施



この問題に対して、Great Place To Work® Institute Japan(GPTW Japan)は、2025年版の「働きがいのある会社」ランキングを発表し、株式会社ディスコの赤瀬勝彦氏を招いたトークセッションを開催しました。ここでは、静かな退職を巡る最新の調査結果が発表され、企業と上司層、従業員との間に存在する意識の乖離が議論されました。

荒川陽子氏(GPTW Japan代表)は、「静かな退職への関心が高まっているが、企業側は従業員に働きがいを感じさせるために環境整備を急ぐ必要がある」と語ります。

上司層と実践者の意識のズレ



調査では上司層と静かな退職を実践する従業員との間に、職場への影響に対する認識の違いが明らかになりました。荒川氏は「連帯感や一体感に対する考え方にギャップが存在している」と述べ、その結果として、個々の社員が孤立し、静かな退職を選択する人が増えていると推測しています。これに対して、企業側は今後の人材育成や職場環境の改善に本腰を入れる必要があります。

ディスコの取り組み



ディスコ社は、働きがいを生むための多くの社内制度を導入しています。特に「個人Will制度」と呼ばれる仕組みが注目されています。この制度は、社員一人ひとりが自分の業務を選択できる自由を与え、個々の意志を尊重するものです。

この制度では、業務の依頼主から提示されたWillが自身に対する信頼の証となり、自分の意志で選択した業務に期待以上の成果を上げることで、次回にはより高いWillが提示されるという仕組みです。これにより、従業員同士で期待をかけ合う好循環が生まれ、社員の「やりがい」向上にもつながっています。

今後の展望



今後、赤瀬氏は「静かな退職」を実践する従業員を減少させるための企業の取り組みが重要であると強調しています。同時に、荒川氏は「企業が期待をかけ合う関係性を築くこと」が今後の企業文化において重要だとまとめました。

ディスコで実施されているような「個人Will制度」は、従業員が自己の意志でキャリアをデザインし、結果として彼らの働きがい向上に寄与しています。これからの企業は、従業員一人ひとりが安心して意欲を持てる環境を整えることが求められています。

これらの取り組みを通じて、未来の職場環境がどのように進化していくのか、引き続き注目していきたいと思います。

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