伯東とVieurekaが見据えるエッジAIの未来
最近、伯東株式会社とVieureka株式会社が連携し、エッジAIの社会実装に向けた新たな取り組みを発表しました。両社は、AmbarellaのAIビジョンプロセッサ「CV72」を利用した「エッジ生成AI BOX」を共同開発し、このデモ製品を2025年11月に開催される展示会「EdgeTech+ 2025」で展示することを報告しています。
エッジ生成AI BOXの特徴
今回発表された「エッジ生成AI BOX」は、大規模言語モデル(LLM)や視覚言語モデル(VLM)をクラウドに依存せずエッジで運用可能です。これにより、通信遅延を削減し、プライバシーを保護しながら現場での迅速な対応が実現されます。さらに、VieurekaのエッジAIプラットフォームを装備することで、AIモデルの追加学習やアップデートが遠隔から安全かつ効率的に行えるようになります。
このシステムは、介護や製造、流通などさまざまな業界の現場で特有の課題に柔軟に対応できるため、業務効率化にも寄与するでしょう。特に、業界ごとに特化したAIの運用ができ、人手不足の解消や業務改善に役立つことが期待されます。
AI-BOXの技術的な背景
新たに開発されたAI-BOXは、Ambarellaの「CV72」を搭載しており、最先端の技術を駆使しています。このプロセッサは、5nmプロセス技術と第3世代CVflow®アーキテクチャを採用し、高性能かつ低消費電力を実現しています。また、CNNやDNN、生成AIに必要不可欠なTransformer向けのアクセラレータも内蔵されています。
加えて、VLMに対応したCLIPやBunnyといった機能も搭載されており、これにより画像とテキストの関連性を精度高く推定する能力や、高性能なマルチモーダルモデルの利点を活かしニーズに応えます。
展示と今後の展望
「EdgeTech+ 2025」では、伯東ブースでAI-BOXのデモ展示を行い、来場者にエッジAIの高性能な処理能力と柔軟な運用管理の可能性を体験してもらえる予定です。展示会は2025年11月19日から21日まで、パシフィコ横浜の展示ホールで開催されます。
パートナーシップの意義
伯東株式会社の取締役、石下裕吾氏は、「Vieurekaとの協業は当社の中期経営計画における重要なステップであり、両社の強みを融合させて次世代EdgeAIソリューションを展開していきます」と述べています。Vieurekaの社長、宮﨑秋弘氏も「この協業によって、現場に特化したエッジAIの社会実装が一歩前進します」と語り、両社が共にエッジAI技術の発展を推進する姿勢を示しています。
伯東とVieurekaについて
伯東株式会社は、1953年に設立され以来、最新の情報や高度な技術を提供する商社として成長してきました。彼らの使命は、「人と技術と自然環境の共存」であり、先進技術が人々の生活を豊かにすることを目指しています。一方、Vieureka株式会社は、パナソニックホールディングス株式会社などの出資を受け、2022年に設立された企業で、「世界の今をデータ化する新たな社会インフラを創造」をミッションとしています。両社が手を組むことで、エッジAIの社会実装が加速されることが期待されます。