ジェネシア・ベンチャーズがESGソリューションをアップデート
シード・創業初期のスタートアップに経営支援を行う株式会社ジェネシア・ベンチャーズが、ESGリーダーシップを示す新たな一歩を踏み出しました。2022年7月から提供を開始した『ESGソリューション』の最新アップデートにより、投資先スタートアップ向けに、メンタルヘルスやハラスメントに関する外部相談の機能が充実されました。この新機能は、株式会社With Midwifeの企業伴走型支援サービス『The CARE』を活用し、スタートアップの成長と持続可能な発展を目指しています。
ESG投資方針の背景
ジェネシア・ベンチャーズは、2021年12月にPRI(責任投資原則)に署名し、ESG投資方針を策定しました。これにより、投資先のスタートアップに対して持続可能な企業価値の向上と社会課題への取り組みを促進しています。長期的かつ安定した成長を遂げるスタートアップを支えるこの取り組みは、全ての人に豊かさと機会をもたらすという同社のビジョンに基づいています。
新しい相談窓口の設置
今回のアップデートでは、特にメンタルヘルスやハラスメントの問題に焦点が当てられています。スタートアップは、革新的な製品開発を目指しながらも過密なスケジュールや高いストレスにさらされています。このため、社員や起業家は心身のトラブルを抱えることが多く、特に女性起業家はハラスメントに悩まされるケースが増加しています。実際、2024年7月の調査により、女性起業家の52%が性的ハラスメントを経験していることが報告されています。
スタートアップでの相談体制の不足といった課題を踏まえ、ジェネシア・ベンチャーズは、第三者である専門家による外部相談窓口の設置を決定しました。この窓口は、相談者がリラックスしながら本音で話せる場所としての役割を担います。
『The CARE』の特長と機能
『The CARE』は、国家資格を持つ医療専門家がスタートアップからの相談に応じ、さまざまなトラブルに対してサポートを提供します。このサービスには、チャットやビデオ通話を通じて気軽に相談できる機能や、健康やライフイベントに関する情報を提供するコラム配信、ストレス状況の把握を目的としたウェルネス診断などが含まれています。
また、企業ごとの利用データをレポートし、経営課題の可視化とその改善策提案を行うコンサルティングサービスも実施します。このようなサポートを通じて、心身の不調を早期に発見し対処することを目指しています。
今後の展望
このアップデートは、初めて利用する企業向けにまず社内でテストトライアルを経て、2024年11月から本格的に投資先スタートアップへのサービス提供が始まる予定です。ジェネシア・ベンチャーズは、革新的なアイデアを持つスタートアップが安心して成長できる環境を整えることで、持続可能な社会づくりに貢献することを目指しています。この取り組みをきっかけに、スタートアップ業界全体のメンタルヘルスとハラスメント対策が進展することが期待されています。
まとめ
『ESGソリューション』のアップデートにより、投資先スタートアップは今後、心の健康や労働環境の改善に向けた安心なサポートを受けることができるようになり、持続可能な成長の一助となるでしょう。ジェネシア・ベンチャーズと『The CARE』の連携は、新たな時代のスタートアップ支援の形を示す重要なステップです。