安比高原スキー場の挑戦
2022-02-09 08:55:18

安比高原スキー場、皆川賢太郎氏起用で新生市場開拓へ

安比高原スキー場の新たな挑戦



安比高原スキー場が、全国の冬季観光市場に新たな風を吹き込もうとしています。数年前からスキー人口が減少傾向にあり、特にコロナ禍が打撃を与えた中、同スキー場は元冬季五輪日本代表の皆川賢太郎氏を起用し、新たな戦略を打ち出しました。

スキー人口の減少と市場の変化


1980年代後半から90年代には、約1860万人ものスキー人口がいた日本。しかし、バブル崩壊以降、スキー人気は後退し、冬季産業は苦境に立たされています。この流れの中、安比高原スキー場は新たなターゲット層の掘り起こしと、海外からの集客を図ることにしました。

皆川氏は、新しい中長期戦略の中で、特に経済的余裕があるシニア層やその子供たちをターゲットにしていると語ります。「かつてのスキーブームを一緒に楽しんだ世代の再開発が重要です。彼らを再び雪山に引き寄せることで、スキー・スノーボード人口を戻したい」とし、非常に明確なビジョンを提示しました。

タクシー・サイネージメディアの活用


最も注目されるのは、全国12都市に展開するタクシー・サイネージメディア「Tokyo Prime」です。この手法は、経済的余裕のある富裕層やビジネスパーソンにが利用するタクシー内で放映され、リゾートの魅力を伝えます。タクシー広告の新たな可能性を感じている皆川氏は、かつて無かったリゾート向けの広告を展開していく方針です。

東京を含む主要12都市で54,000台のタクシーに搭載されるこのサイネージは、音声付きの高精細な動画が流れ、短時間でインパクトのある情報提供が可能です。皆川氏は「これは新しい市場の一歩であり、直接的にターゲット層にアプローチできる貴重な機会です」と語っています。

世界レベルのウィンターリゾートへ


安比高原は、ただのスキー場ではなく、未来のリゾートとしての開発も進めています。国際的なアワードであるWS TOPS ウィンタースポーツ賞では、日本のスキー場の中で唯一、トップ10に入るほどの評価を得ています。ゲレンデ自体も広大で、最長距離を誇るリフトを持っており、すべてのスキー愛好者が楽しむことができます。

さらに、グローバルホテルブランドであるIHGとの契約により、新たな宿泊施設が続々とオープン。2022年には、ラグジュアリーブランドの「ANAインターコンチネンタル安比高原リゾート」が開業予定であり、ターゲットとなる富裕層のニーズに応える体制を整えつつあります。これにより、安比高原スキー場は、周辺地域を巻き込みながらリゾートとしての形を整えていくことを目指しています。

皆川賢太郎のリーダーシップ


皆川氏自身が冬季オリンピックに4回出場し、アルペンスキーでの実績を有するだけでなく、経営者としても成功を収めています。元フィギュアスケート選手である彼は、スキー業界を活性化するための中長期戦略を策定中で、リーダーシップを発揮しています。

「安比高原を訪れることが、ただのスキー体験ではなく、記憶に残る特別な時間を提供する場所にしたい」と述べている彼の言葉からは、強い意志と情熱が感じられます。

安比高原スキー場は、これからの冬季スポーツの在り方を示す存在として、その役割を期待されているのです。

会社情報

会社名
株式会社岩手ホテルアンドリゾート
住所
岩手県盛岡市愛宕下1-10
電話番号
019-625-2111

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