医療的ケア児と障がい児のための特別な映画体験
映画『クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』が、医療的ケア児や障がい児、そのご家族を対象にした特別な上映会で上映されました。このイベントは、NPO法人AYAが主催し、全国12か所で実施されました。
上映会の概要
上映イベントは8月18日、福岡県福岡市のTOHOシネマズ ららぽーと福岡を皮切りに始まりました。全ての上映会は、11月20日まで続く予定で、延べ1,951名が参加する盛況ぶりでした。参加者からは、「安心して映画を見ることができた」との嬉しい声が届けられています。
医療的ケア児とは
医療的ケア児とは、日常的に医療的な支援が必要な子どもたちを指し、主に人工呼吸器や喀痰吸引が必要なケースです。厚生労働省の推計によると、全国に約2万人の医療的ケア児が存在しています。また、障がい児は約60万人とされ、その支援が社会全体で求められています。
AYAの使命
NPO法人AYAは「スポーツ・芸術・文化を通じて、子どもたちの世界観を広げる」というミッションを掲げており、これまでも様々な体験を提供してきました。今年度には、バスケットボール観戦や海水浴など、33回のイベントを開催し、およそ1,368名が参加しました。
上映会の背景
今回の上映会が実現したきっかけは、医療的ケア児の親からの「映画館で映画を見たい」という声でした。従来の映画館では、医療機器のアラーム音や声を出す可能性から、周囲に気を遣う必要があり、参加が困難だったのです。この想いを叶えるため、AYAは映画館を丸ごと借り切り、医療職のスタッフが常駐することで安心して鑑賞できる環境を整えました。
全国12か所での開催
上映会は、北海道から鹿児島まで、全12都道府県で順次行われました。また、各地での参加者の反響は非常に好評で、「初めて映画館で観た映画は忘れられない思い出です」との声も上がりました。関係者の協力によって、特別な環境が提供され、子どもたちが安心して楽しめる時間が実現しました。
参加者の声
映画を観た親子からは「周囲を気にせず楽しめた」といった感謝の言葉が多数寄せられています。また、「初めての家族での映画館体験ができて嬉しい」とのコメントもあり、参加者全員がこの特別な時間を心から楽しんだようです。
終えての感想
上映会を終えたNPO法人AYAの代表、中川悠樹医師は「たくさんの親子が映画館を楽しむ様子を見て、大きな達成感を得た」と述べています。彼は、引き続き47都道府県すべてでの上映会を目指し、今後の活動に邁進すると言います。
これからの展望
AYAは、次の大きな目標である全国47都道府県を巡る上映会の実現に向けて努力を続けます。これにより、さらに多くの医療的ケア児とその家族が映画を楽しめる機会を提供できるよう、皆の応援を求めています。