新たな宿泊体験を提供する「JALオーベルジュ富良野」
日本航空株式会社(JAL)と株式会社日動が手を組んで、北海道中富良野町に新たな宿泊施設「JALオーベルジュ富良野」を2026年冬に開業します。このプロジェクトは、JALが自社ブランドによるオーベルジュ事業を展開する全国初の試みです。
プロジェクトの概要
「JALオーベルジュ富良野」は、地域共創を目的に、北星山森林公園エリアに設けられます。この施設はただの宿泊所ではなく、地元の食材を使った飲食を提供することを主眼としており、観光客に新しい食と宿の体験を提案します。2025年12月には共同記者会見が行われ、関係者の熱意が伝わってきました。
親密な地域連携
このオーベルジュの設立は、中富良野町とJALとの連携協定に基づいています。地域密着型の開発や運営を行っている日動と協力することで、観光振興や地場産業活性化、環境負荷軽減に寄与すると同時に、地域課題の解決を目指します。
町長の期待
中富良野町町長の小松田清氏は、地域の観光が「通過型」から「滞在型」に変わることを期待しています。美しい自然環境や食文化を生かし、訪れた人々にここならではの体験を提供することが目的です。特に、針葉樹環境で育つ食材や薪火料理の独特な香りを楽しむことができる特別な場所を目指しています。
JALのビジョン
JALの執行役員である林浩一氏は、北海道の豊かな食文化を活用し、ただの「通過点」の観光地ではなく、食を求めて「わざわざ訪れたくなる場所」を提供したいと述べています。さらに、別の拠点として仁木町でもJALオーベルジュプロジェクトが進行中です。
シェフのこだわり
オーベルジュのレストラン部門には、ミシュラン一つ星を持つ石井誠シェフが監修を行い、地元出身の谷章太郎シェフが料理を担当します。食は旅行の記憶と結びつくものであり、特に四季折々の風景が表現する中富良野の食材を活かしたメニューを提供します。
施設の特徴
本施設は全10室(各50㎡以上)の客室を持ち、キッチンも完備されています。長期滞在を考慮し、食を楽しむためのさまざまな仕掛けも用意されています。建物自体には道産木材を使用し、地域性を大切にした設計となっています。
ビジョンの実現
日動の代表取締役である前川大輔氏は、食の魅力を最大限に引き出しながら、特別な滞在体験を提供することが重要だと強調しています。このオーベルジュが中富良野の未来を豊かにし、地域をさらに魅力的にするとして期待を寄せています。
地域への影響
「JALオーベルジュ富良野」は、観光客を地域に滞在させ、関係人口を増やし、雇用を創出するなど、地域経済や社会全体に良い影響を与えることが予測されます。これは地元の文化や食を根付かせるための一歩でもあり、北海道の多様な地域特性を最大限に活かす新しいモデルとして位置づけられています。
この取り組みは、中富良野の「観光地」としてのイメージを根本から変え、訪れる人々にとって特別な場所となることが期待されています。2026年に開業するこの新しい試みに、多くの人が注目しています。