AIの進化と企業の戦略
2024年11月8日、IBMは新たなレポート「AI in Action」を発表しました。このレポートは、企業がAIをどのように活用しているかを探るもので、特に「AIリーダー」として認識される企業の特徴に焦点を当てています。この調査は、IBMが委託したハリス・ポール社によって実施され、米国、英国、インド、日本、ドイツの2,000社を対象としました。
AIリーダーの特性
調査結果によれば、対象となった2000社の中で、15%が「AIリーダー」として位置づけられ、ビジネス全体の価値向上において同業他社を大きくリードしていると回答しています。残りの85%は「学習者」と分類され、この両者の間には大きな戦略的な違いが見られます。
IBM Consultingの南北アメリカ担当バイス・プレジデント、ショビット・ヴァーシュニー氏は、「AIリーダーと見なされる企業のうち、約3分の2はAIにより収益成長率が25%以上向上したと報告しています。この結果をもとに、他社がどのようにAIを導入し成功するか学ぶための情報を提供したい」と述べています。
4つの主要な項目
レポートでは、AIリーダーが成功を収めるための4つの重要な要素が示されています。まずは、
投資の姿勢です。AIリーダーの71%がAIへの投資に積極的である一方、学習者の割合は19%にとどまっています。
次に、
データ管理の自信です。AIリーダーは、データへのアクセスと効果的な管理能力に自信を持つ傾向が非常に強く、61%がその自信を持っているのに対し、学習者の数はわずか11%です。
3つ目は、
戦略的な連携です。AIリーダーは、経営層とITリーダーシップとの連携が取れているかどうかにおいて、72%が整っていると報告しています。それに対し学習者は36%。また、顧客体験の向上やIT運用の自動化など4つの領域に投資する傾向が80%高いことも示されています。
最後に、
カスタマイズ能力も重要です。AIリーダーは、独自のソリューションを作成するためにAPIを使用している企業の割合が61%に達しており、学習者の28%と比較しても大きな差があります。学習者が33%にとどまる中、AIリーダーの72%がカスタマイズに自信を持っています。
調査の意義と結論
本レポートを通じて示されたAIリーダーと学習者との間の明確な違いは、AI戦略の重要性を再認識させます。AIを活用することでビジネス価値を最大化するためには、適切な投資、データ管理、戦略的な連携、カスタマイズ能力が不可欠です。
レポートの詳細は
こちらから確認できます。企業が「AIリーダー」としての地位を獲得するために、どのような戦略が有効かを学ぶ手助けになるものといえるでしょう。
調査を実施したハリス・ポール社は、1963年からの歴史を持つ市場調査機関であり、現代の企業に対するインサイトを提供することを目指しています。このようなデータを活用し、先進的な取り組みを進める企業が増えていくことが期待されます。