武蔵野大学の新たな試み
2024年9月、武蔵野大学工学部建築デザイン学科の学生たちが手掛けた大規模なプロジェクトが、神奈川県鎌倉市の「シェアビレッジ鎌倉西御門」で見事に完成しました。
このプロジェクトは、「あわい deカタチ」と名付けられ、学生たちのデザインしたガーデンテーブルとゴミステーションが地域特性を活かしつつ新たなスペースを提供しています。特に、坂道が多い地域ならではのデザインが施されており、住環境に調和する小さな建築物としての役割を果たしています。
プロジェクトの流れ
このプロジェクトは、2023年の初めに始まり、2024年に住民による講評会を経て本格的な制作に入りました。始まりは、太田裕通講師が指導し29名の学生が参加する形で進められ、約1年かけてガーデンテーブル「えんむすび」とゴミステーション「コミハコ」の制作を完了。これにより、地域のコミュニティをより強化する成果が得られました。
ゴミステーション「コミハコ」
「コミハコ」は、単なるゴミ捨て場ではありません。坂道に寄り添う形で設計されており、周囲の芝生とともに自然に溶け込むデザインが特徴です。利用者が腰掛けられるベンチや植栽ポットも設けられ、ゴミ捨てという行動がコミュニケーションの場へと変わる工夫が施されています。結果として、「コミハコ」は人々を惹きつけ、つながりを育てる役割を果たしています。
ガーデンテーブル「えんむすび」
一方、ガーデンテーブル「えんむすび」は、多様な住人同士の交流を促進する空間として設計されています。大きなアメーバ状のテーブルに、自由に動かせる小さなテーブルが装備されており、使用者によって空間が変化するような仕掛けも重要なポイントです。
そのデザインに込められた想いは、住民間の「縁」を結び、料理を囲んでの楽しいひとときを演出するものとなっています。カラフルなルーバーにより、見た目にも楽しく、機能的でありながらも、地域に溶け込んだデザインが実現されました。
学生たちの声
プロジェクトを担当した学生の代表である清宮悠さんは、住民の意見を取り入れた設計プロセスを経験できたことに喜びを感じています。多様な課題をチームで克服し、形になった瞬間は非常に感動的だったことも語っています。この経験が、彼らにとって貴重な学びとなり、今後の人生にも活かされるであろうことは間違いありません。
教員の視点
太田講師は、このプロジェクトを通じて小さなデザインが地域に与えるインパクトの重要性を強調しています。地域との対話を通じてデザインを考える過程や、実際に手を動かして形にする経験が学生にとって貴重な学びとなったことを語っています。
武蔵野大学への期待
武蔵野大学は、1924年に設立されて以来、教育の質を高めるためにさまざまな改革を重ねてきました。この新たなプロジェクトもその一環であり、地域との絆を深める活動としての意義が強調されます。今後も、学生たちが地域と共に成長し、課題解決に寄与する活動を続けていくことが期待されます。