2025大阪・関西万博における鈴木教授の講演
2025年9月16日、大阪の「BLUE OCEAN DOME」で開催された『BLUE Challenge 2025』に於いて、大谷大学の鈴木寿志教授が
海洋プラスチックの回収と再資源化の加速をテーマに登壇しました。この講演は、ツネイシカムテックスの坂本裕尚氏や佐賀県の小山由希子氏とのキーノートセッションとして行われ、多くの来場者が集まりました。
万博での意義
鈴木教授は、万博の場での講演は非常に重要な意義を持つと考えています。「今回の万博での登壇を通じて、企業や大学が海を守るために進めている様々な取り組みを広く知ってもらうことができる。また、学生たちがそこに関与し、自らの声を発信できる貴重な機会でもある」と述べています。
環境保全への期待
来場者へのメッセージとして、鈴木教授は自身の視点から環境保全の意識を育むことの重要性を強調しました。「海だけではなく、道端でも、自分が捨てたものではなくてもごみを拾うという行動が、環境に対する意識を少しずつ高めていくのではないか」と語り、日常の小さな行動から始まる環境意識の醸成を期待しています。
講演内容の詳細
1. 調査・清掃活動
大谷大学の社会学部コミュニティデザイン学科は、2019年から京都府京丹後市で漂着プラスチックの清掃活動を続けています。この活動を通じて、回収したプラスチックが最終的に山間部の処分場に埋め立てられている現実を知り、「海をきれいにしても山を汚しているのでは」と新たな問題意識が生まれました。研究の結果、マイクロプラスチックが砂の表層に多く、近海の魚の11%からその存在が確認されました。
2. 地域との連携
地域連携のプロジェクトには、京丹後市の「夢まちづくり大学」事業や一般社団法人「京都知恵産業創造の森」の支援があり、地域の住民や学生との協力が活発に行われています。世代を超えた協働を通じて、環境問題を「宅地の問題」として考え直し、持続可能な社会の構築を目指しています。
3. 技術開発とリサイクル
学生たちは、マイクロプラスチックの回収に向けた技術開発にも取り組んでいます。「浮遊型除去装置」や「ふるい型除去装置」など、独自の装置を開発し、マテリアルリサイクルを実現する試みを進めています。具体的には、アナゴ漁で使われるプラスチックを選別・収集し、再資源化を目指すアップサイクルモデルの構築も行っています。
講演の概要
- - 名称:海洋プラスチックの回収と再資源化の加速
- - 日時:2025年9月16日(火) 13:00~13:40
- - 会場:2025大阪・関西万博「BLUE OCEAN DOME」
- - 公式チャンネル:EXPO2025 BLUE OCEAN DOME
大谷大学について
大谷大学は、1665年に創設された東本願寺の学寮が起源であり、人材の育成ではなく「人物」の育成を目指しています。「人間学」を教育・研究の根幹とし、持続可能な社会づくりに向けた教育には特に力を入れています。つねに変革を求め、多様な社会への対応を目指す必要性が求められています。鈴木教授の取り組みは、その一環としてこれからの環境問題に対する新たな視点を提供してくれることでしょう。