電脳交通が遠隔点呼業務を開始
タクシー配車に特化したコミュニケーションセンターを運営する株式会社電脳交通は、2025年9月からオムロンソーシアルソリューションズ株式会社(OSS)が提供する公共ライドシェアサービス「meemo」の「遠隔点呼業務」を受託することを発表しました。この取り組みは、同社にとって初めての試みであり、今後の公共交通サービスのあり方に大きな影響を与えそうです。
交通空白地帯の問題
日本では少子高齢化や人口減少の影響により、特に地方都市で従来の交通手段の維持が難しくなってきています。その結果、住民の移動手段が不足する「交通空白地帯」が深刻化しています。これに対抗する新たな交通インフラとして、ライドシェア型公共交通サービスが期待されています。
OSSが提供する「meemo」は、長野県駒ヶ根市での導入実績があり、地域住民の移動手段を有効に補完しています。電脳交通は、これまでの配車業務に加え、「meemo」事業のさらなる品質向上と安全確保に向けた運行管理体制の強化に取り組んでいます。
遠隔点呼業務とは
「遠隔点呼」は、運行管理者が運転者と対面することなく、カメラや通信機器を活用して健康状態やアルコールチェックの確認を行い、運行に関する指示を出す新しい運行管理手法です。この手法は、国土交通省が定める基準を満たした事業者にのみ実施が許可されています。これにより、ドライバーの安全を確保しながらも、限られた人的リソースを有効活用できるようになります。
電脳交通がこの業務を引き受けることにより、配車と点呼を一体的に管理する新しい運行支援の体制が構築されます。これにより、より安全で効率的なライドシェアの運営が可能になると期待されています。
電脳交通の展望
「meemo」事業が順調に進行している中、電脳交通は他地域への展開や関連業務の受託を拡大する計画を立てています。これまでの経験とノウハウを活かし、地域公共交通の持続可能な発展に寄与することを目指しています。
電脳交通のコミュニケーションセンターについて
電脳交通のコミュニケーションセンターは、現在、全国41都道府県にわたる約150社のタクシー事業者の配車業務を担当し、月間の着信件数は20万件にも達しています。約120名のコミュニケーターが在籍し、多くの注文に迅速に対応しています。今後、ライドシェアサービスを含む多様な交通分野の受託業務を拡充し、タクシー配車から交通全般を視野に入れたコールセンター機能への成長を目指すとしています。
株式会社電脳交通の概要
- - 所在地: 徳島県徳島市寺島本町西1丁目5番アミコ東館6階
- - 設立: 2015年12月
- - 代表者: 近藤 洋祐
- - 従業員数: 201名(2025年3月末時点)
- - 資本金: 1億円(2025年4月末時点)
- - 主要株主: 阿波銀キャピタル株式会社など多数
この新しい取り組みが、地域の交通インフラの未来をどのように形作るのか、今後の展開に注目です。