Ubieと日本強皮症患者の会、患者中心の医療貢献に向けた包括連携協定を締結
Ubie株式会社と一般社団法人日本強皮症患者の会は、指定難病である強皮症患者の早期発見・早期治療、そして継続的な患者サポートのためのデジタル活用に係る包括連携協定を締結しました。
全身性強皮症は、皮膚や全身のさまざまな臓器がだんだんと硬くなっていくことが特徴の病気です。診断技術や治療法は進歩していますが、原因不明で治療法も限られているため、厚生労働省の指定難病に指定されています。
強皮症は、一般的に知られていないだけでなく、医療関係者の中でも知名度が低い病気です。そのため、多くの患者さんが以下のような問題を抱えています。
症状が出ているにも関わらず、発見が遅れて適切な治療を受けられない。
強皮症と診断されたものの、周囲から理解を得にくく、肩身の狭い思いをしてしまう。
* 効果的な治療薬の保険承認が進まず、全国で効果的な治療法を受けられない。
日本強皮症患者の会は、「強皮症の、強皮症の患者による、強皮症の患者の為の患者会」をスローガンに掲げ、2023年に設立されました。展示会や学会への出展を通じた医療関係者への講演活動や患者さんの体験談、最新の治療情報や治験情報の提供など、さまざまな啓発活動を行っています。また、会員相互や関係機関との連携により、強皮症患者がより良い治療生活を送れるよう支援しています。
一方、Ubieは、「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」をミッションに掲げ、患者さんの「ペイシェント・ジャーニー」全体に接点を持つソリューションを開発・提供しています。誰もが自分に合った医療にアクセスできる社会の実現を目指しています。
今回の協定では、日本強皮症患者の会が持つ強皮症に関する豊富な知見と、Ubieが提供する月間利用者数1,000万人を超える生活者向けサービス「ユビー」の強みを活かした取り組みを行います。両者は、Ubieのデジタルプラットフォームを活用し、患者さん向けの啓発や受診促進を実現します。これにより、強皮症患者の方々を適切な医療へ案内し、患者中心の医療貢献に寄与していくことを目指しています。
強皮症患者からの切実な声、早期発見と治療への期待
日本強皮症患者の会 代表理事 津田氏は、「自身も6年前に血液検査がきっかけで強皮症と診断され、現在も闘病中です。当会が患者に行ったアンケートでは、自身で自覚がなく医療機関で指摘されたという方が全体の51.4%と半数を占めています。症状が出始めているにも関わらず、適切な治療を早期に受けられず、悪化してしまう患者さんが多くいます。今回のUbie社との連携により、強皮症患者を早期に発見し、治療につなげることが期待されます。今後も強皮症と闘う患者さんの支えとなる活動に真摯に取り組んでまいります。」とコメントしています。
デジタル技術で、強皮症患者の早期発見・治療を支援
Ubie株式会社 共同代表取締役医師 阿部氏は、「強皮症の非専門領域の医療機関を受診された患者さんが、ユビーメディカルナビでの問診結果から強皮症との関連性が表示され、専門医療機関への紹介に繋がった例があります。また、強皮症は命にかかわる指定難病でありながら、潜在患者が多く、適切な医療につながっていない方が多くいらっしゃいます。生活者向けサービス『ユビー』の利用により、強皮症との関連性が表示され、実際に医療機関を受診後、全身性強皮症の確定診断につながったという患者さんもいらっしゃいます。今回の提携と当社のサービスを通じ、強皮症の症状を持つ方々の早期発見・受診の支援へとつなぐ取り組みを進めてまいります。」とコメントしています。
Ubie株式会社について
Ubie株式会社は、「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」をミッションに掲げ、2017年5月に医師とエンジニアによって創業されたヘルステックスタートアップです。AIをコア技術とし、症状から適切な医療へと案内する「ユビー」と、診療の質向上を支援する医療機関向けサービスパッケージ「ユビ―メディカルナビ」などを開発・提供しています。誰もが自分に合った医療にアクセスできる社会づくりを目指しています。
デジタル技術が強皮症患者の未来を変える可能性
Ubieと日本強皮症患者の会の連携は、デジタル技術が難病患者の生活をどのように改善できるのかを示す、非常に興味深い取り組みです。強皮症は、原因不明で治療法も限られているため、患者さんは不安を抱えながら生活しています。早期発見と適切な治療は、患者さんのQOL(生活の質)を大きく向上させる可能性を秘めています。
今回の連携で注目すべき点は、Ubieの持つデジタルプラットフォームを活用し、患者さん向けの啓発活動を行うことです。強皮症は、一般的に知られていない病気であるため、早期発見が難しいという課題があります。Ubieの生活者向けサービス「ユビー」は、1,000万人を超えるユーザーを抱えるため、強皮症に関する情報発信を効果的に行うことができると期待されます。
また、強皮症の症状を持つ人が「ユビー」で症状を入力することで、強皮症との関連性が表示され、専門医療機関への受診を促すことも期待されます。強皮症は、早期治療が重要です。症状が軽い段階で発見できれば、病気の進行を抑え、重症化を防ぐことができる可能性があります。
今回の連携は、医療機関と患者をつなぐ架け橋となり、強皮症患者が適切な医療にアクセスしやすくなることを期待しています。デジタル技術は、医療現場の課題解決に役立つ可能性を秘めています。今後も、医療分野におけるデジタル技術の活用がどのように発展していくのか注目していきたいと思います。