富士通R&Dセンターが、ブロックチェーンのセキュリティ標準を設定し推進するために、スマートコントラクト・セキュリティ・アライアンス(SCSA)に加盟したというニュースが、ブロックチェーン業界で注目を集めています。この発表は、アメリカ・サンフランシスコに本社を置くQuantstamp Inc.によって行われました。
スマートコントラクト・セキュリティ・アライアンスの役割
SCSAは、QuantstampとModular Inc.によって設立された組織であり、スマートコントラクト及びブロックチェーンアプリケーションの標準を確立することを目的としています。このアライアンスには、すでにQuantstamp、LayerX、NRIセキュアなどの主要企業が参加しており、ブロックチェーン技術の向上と新技術の採用促進に向けた取り組みを行っています。実際、彼らはブロックチェーンコミュニティにおいて、実用的なガイダンスを提供しており、セキュリティの知見を共有しています。
富士通の役割と実績
富士通R&Dセンターは、富士通グループの一員として、中国に拠点を持つ最初の独立研究開発機関です。1935年に設立された富士通は、長年にわたり高品質なITサービスを提供しており、ブロックチェーン技術にも積極的に取り組んでいます。特に、ハイパーレジャーの発展においては、大きな成果を上げています。
富士通自身は、2017年にハイパーレジャーの業務処理を270%の速度で高速化する技術を実装しています。また、最短5日間でのMVP(実用最小限の製品)開発を可能にする「ブロックチェーン製品化フレームワーク」も開発しています。さらに、2018年には、イーサリアムのスマートコントラクトに潜む脆弱性を特定するソフトウェアを開発し、顧客へのマーケティングを強化する「ブロックチェーンアセットサービス」を展開していることからも、その存在感が伺えます。
メリットと期待
SCSA創立者であるリチャード・マ氏は、富士通の加入を歓迎し、同社がハイパーレジャーの発展に貢献していると評価しています。また、富士通グローバルマーケティング本部の藤健太郎統括部長は、「急成長を続けるブロックチェーン業界において、SCSAのような組織は不可欠であり、今後の協業に期待している」と述べています。
ブロックチェーンとセキュリティの重要性
ブロックチェーンに関心を持ちながらも、セキュリティ標準が不明瞭であるために導入を躊躇する企業が多いのが現状です。スマートコントラクトは、他のテクノロジーでは解決できない課題を克服し、さまざまな業界に利益をもたらす潜在力を持っています。このため、企業が協力し合ってセキュリティ面の問題に取り組むことが、ブロックチェーン技術の普及において非常に重要です。SCSAの設立は、この流れを促進することを目的としているのです。
SCSAの活動が進むことで、ブロックチェーン技術が持つ無限の可能性がより具体化し、業界全体の安全性と信頼性の向上につながることが期待されています。
詳細については、
スマートコントラクト・セキュリティ・アライアンスの公式ウェブサイトを参照してください。