新たな未来を?浪江未来ファームの誕生
福島県浪江町は、東日本大震災や原発事故からの復興を目指し、着実に地域の産業復興に取り組んでいます。このたび、JR東日本のローカルスタートアップ投資事業有限責任組合(LSUPファンド)とプラントフォーム、ARKの二つのスタートアップ企業が手を組み、地域産業の振興を目的とした農水産イノベーション拠点「浪江未来ファーム株式会社」を設立しました。
設立の背景
浪江町はかつて避難指示が出され、多くの住民が故郷を離れざるを得ぬ苦しい時期を経験しましたが、避難指示の解除後、人々の帰還が進み、地域の再興に向けたステップが踏まれています。これまでの課題を克服し、新しい産業のモデルを生み出すため、LSUPファンドとスタートアップ企業が連携し、塗り替えられる未来を見据えています。
浪江未来ファームの取り組み
浪江未来ファームは、プラントフォームが持つアクアポニックス技術とARKの陸上養殖技術を組み合わせ、持続可能な農水産物の生産を目指しています。主な事業内容には、陸上養殖の「クエタマ」やアクアポニックスの「チョウザメ」といった高品質な農水産物の生産が含まれています。これによって、地域での再生産可能な流通システムが確立され、地域の経済活性化に寄与することを目指しています。
秋祭りで初出荷
浪江未来ファームは、2025年11月22日から23日にかけて開催される伝統的な秋祭り「十日市祭」に出店予定です。ここでは、初めての出荷となる“クエタマ”を販売し、同時にアクアポニックスで育てた「チョウザメ」に基づいた商品も提供します。特に「クエタマあら汁」は数量限定で販売される予定で、地元の人々だけでなく、観光客へのアピールも狙っています。
地域経済の未来
浪江未来ファームは地域の復興を支えるためだけでなく、さらなる経済圏の形成を目指しています。食育、観光、雇用の3つを組み合わせることで、より多様な地域経済が生まれる可能性が広がります。
代表者のメッセージ
JR東日本ローカルスタートアップ投資事業有限責任組合の代表、柴田裕氏は「浪江から、豊かな未来をつくる」という思いを込めて浪江未来ファームを立ち上げました。また、プラントフォームの山本祐二氏は復興事業に取り組むことの重要性を強調し、地域の皆さんに直接訪れてもらうことへの期待を述べています。ARKの竹之下航洋氏も、陸上養殖技術の社会実装に喜びを表明し、地域貢献への意欲を示しています。
企業情報
所在地: 福島県双葉郡浪江町
代表者: 柴田 裕
資本金: 100万円
事業内容: 陸上養殖・植物工場の運営、食品加工・飲食店の運営
生産予定: クエタマ、チョウザメなど
操業開始: 2026年秋頃
福島県浪江町におけるこの取り組みは、地域の復興を確実に進める新たな道筋となるでしょう。希望と可能性に充ちた未来への一歩を踏み出す「浪江未来ファーム」に、注目が集まります。