IASの第20版メディアクオリティ レポート概要
2025年6月3日、米国ニューヨークを本拠地とするIntegral Ad Science(IAS)が、その第20版「メディアクオリティ レポート(MQR)」を発表しました。このレポートは、全世界で日々計測される2,800億件以上のデジタルインタラクションから得られた知見に基づいており、デスクトップ、モバイルウェブ、モバイルアプリ、コネクテッドTV環境でのディスプレイ広告や動画広告フォーマットの品質及び効果を測定するためのベンチマークを広告主やパブリッシャーに提供します。
過去のトレンドに見る現在のデジタル広告環境
今回のレポートでは、特にオープンウェブ環境に焦点を当て、デジタル広告市場の進化を探ります。最近の注目点として、アドフラウドが増加していることが挙げられます。2024年末時点で、アドフラウド対策を講じないキャンペーンではアドフラウドの発生率が前年比19%増。この状況から、対策の有無によりフラウド発生率に15倍の差が生まれることが明らかになりました。一方、対策を行ったキャンペーンでは不正手口の巧妙化が進む中でも、アドフラウド発生率は前年比9.8%減少し、安定した水準を保っています。
ブランドリスクとコンテンツの変化
このレポートによると、攻撃的な表現やヘイトスピーチの割合が増加傾向にあります。2023年時点でブランドリスク全体は減少していますが、その内訳は変化し続けています。特にオープンウェブ環境では、攻撃的表現や物議を醸す内容、ヘイトスピーチが急増中です。攻撃的な表現は前年比で72%の増加を記録しており、オンライン上のリスクが新たな質に進化していることを如実に示しています。
ビューアビリティの安定化
近年のデジタル広告業界において、ビューアビリティの数値は高水準で安定しています。2024年には、前年比1.6%の増加にとどまるものの、デスクトップ動画のビューアビリティは過去最高の83.9%を記録しました。マーケターは、広告効果を測定する新たな指標である「アテンション」にますます注目しています。これにより、広告が閲覧される環境やユーザーのインタラクションを総合的に考慮し、より効果的なビジネス戦略が可能となります。
APAC地域の特異性
APAC地域では、アドフラウドの傾向が世界全体と同様であることが明らかになり、キャンペーンにおけるフラウド発生率は大きな変化はみられませんでした。ビューアビリティも健闘しており、特にデスクトップ動画では89%を超える数値を示し、グローバル平均を上回ります。いくつかの視点から、APAC地域はデジタル広告の競争力を維持しています。
日本市場における課題と改善点
日本市場では、アドフラウドの改善は見られるものの、依然として世界平均やAPAC平均を上回る数字が記録されました。特に、デスクトップディスプレイ広告に関するビューアビリティは56%と、低下傾向にありますが、モバイル環境では比較的良好なパフォーマンスを示しています。ブランドリスクについても、特に攻撃的な表現や暴力的コンテンツが増加していることが懸念されています。今後は、消費者行動の変化に合わせた広告戦略の再考が不可避です。
結論
第20版「メディアクオリティ レポート」は、デジタル広告の効果を最大限に引き出すための指針となり、企業が直面する課題に対する解決策を示しています。IASのリサーチチームが収集した数多くのデータを基に、広告主やパブリッシャーにとって実用的なインサイトを提供している本レポートは、今後の広告戦略を立てる上で必要不可欠といえます。
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