日本の伝統を継承する研ぎの技法と砥石の全貌
日本の大工道具業界において欠かせない存在である砥石。その魅力を多角的に探るべく、最新の情報と共に研ぎの技法を深く掘り下げていきます。本書は2011年に発行された『大工道具・砥石と研ぎの技法』を改訂したもので、32ページの増ページにより、さらに充実した内容となっています。
天然砥石と人造砥石の違い
日本の砥石には天然の仕上げ砥石をはじめ、荒砥や中砥が存在します。これらはそれぞれ異なる役割があり、刃物の研ぎ具合に大きな影響を与えます。特に天然荒砥・中砥は、安定した性能を持つ人造砥石の登場によって、徐々に衰退を余儀なくされています。しかし、天然砥石の独自の風味や歴史は、一度知ると忘れがたいものがあると感じる利用者も多いでしょう。
研ぎ方の技術をプロから学ぶ
本書では、職人から直接受けることができる研ぎ方の技術についても解説しています。プロの技術を学ぶことは、あなたの道具に愛情を注ぐ新たな方法を見つけることでもあります。どのようにして砥石を使い、刃物を蘇らせるのか、その過程を楽しむことができるでしょう。
日本の砥石の歴史
近年、日本の砥石を知るための資料が減少している中、本書は過去に活躍した天然荒砥と中砥の情報を新たに追加しています。過去の知識を知ってこそ、未来の技術を受け継ぐことができます。特に丹波山地で採れる天然合砥は、その性能と希少性から根強い人気を誇っており、その魅力を伝えるための詳細なデータが提供されています。
環境の変化と未来
天然砥石をめぐる環境は日々変化しています。一度閉山された砥石山から新たに採掘権を取得した業者も出てきているため、これからの活動に注目が集まっています。特に、インターネットを通じての劣悪品の販売が報告されていることから、市場での識別力を高めることが重要です。
新版の書籍概要
書名:新版 大工道具・砥石と研ぎの技法
編者:大工道具研究会
仕様:B5判、192ページ
定価:4,180円(税込)
発売日:2025年7月11日
ISBN:978-4-416-52533-3
本書は今後の砥石市場や研ぎ方技術についての新しい視点を提供し、読み応えのある内容に仕上がっています。大工道具に興味がある方は、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
更に詳しい情報は、
誠文堂新光社の公式ホームページをご覧ください。