教育メタバース「FAMcampus」を用いた不登校支援パッケージが貝塚市で始動

教育メタバース「FAMcampus」を活用した不登校支援

富士ソフトが開発した教育メタバース「FAMcampus」が、この度大阪府貝塚市の不登校支援事業「かいづかSMILEプラン」に採択され、具体的なプログラムが始まりました。この取り組みは、今後の不登校児童・生徒の社会的自立をサポートする重要なステップとなります。

不登校支援の現状と課題

文部科学省の調査によると、2024年度における不登校児童生徒数は過去最多の35万3,970人に達し、12年連続で増加しているという深刻な事態です。特に大阪府では、同年度の不登校児童生徒数は2万3,749人と報告され、社会的課題としての不登校問題は増々重要視されています。文部科学省は「COCOLOプラン」や「不登校・いじめ緊急対策パッケージ」など、多様な施策を展開しています。

FAMcampusの導入とその意義

富士ソフトは2022年に教育メタバース「FAMcampus」の提供を開始し、その特性を生かして不登校支援に特化したプログラムの開発に尽力してきました。このプログラムの一環として、「不登校支援パッケージ」が作られ、メタバース空間、カリキュラム、講師、不登校支援専門員という4つの要素が統合されています。

今般、貝塚市での活動として「つげさんのまなびの森スマイルーム」が開設され、毎週火・水・金曜日の午前9時から午後3時までの利用が可能となります。このプログラムでは、小中学生が合同で参加するオンライン授業が1日2コマ実施されます。これにより、子どもたちは自らのペースで学び、異学年の仲間とも交流しながら新しい学びの体験を積むことができます。

「不登校支援パッケージ」の特長

このパッケージの特長は、学習の形式にアダプティブラーニングを取り入れた「すららドリル」を活用し、子どもたちの興味・関心を広げる授業を構成している点です。具体的な内容としては、趣味実用系の謎解きゲームやアートを通した楽しい学びが提供され、学びに対するモチベーションを高めることが期待されます。

また、教育メタバースの特性を活かし、教科学習だけでなく、社会との結びつきを重視したプログラムが組まれており、子どもたちの社会的自立を促進します。異学年の児童生徒も一緒に課題に取り組む中で、仲間意識を高める活動が実施され、支援員による丁寧なフォローも行われます。

保護者の声と今後の展望

最近、貝塚市教育委員会からも「だれひとり取り残さない」を目標とした不登校対策支援の重要性が伝えられ、保護者からは「授業を楽しみにしている」という前向きなフィードバックが寄せられています。また、子どもたちが自分らしさを大切にしながら成長できる場づくりを進めていく方針も示されています。

富士ソフトは、今後も「FAMcampus」を活用した教育支援の取り組みを継続し、新たな学びの選択肢や場所の提供を通じて、子どもたちと社会の明るい未来を共に創造していく予定です。教育メタバースの利点を最大限に生かしながら、子どもたちが安心して学び、自己肯定感を高めることのできる環境を整えていくことを目指しています。