SIRCとTTDCの共同実証試験、電力と環境の可視化へ挑む

SIRCとTTDCが共同で実施する実証試験について

株式会社SIRC（以下、SIRC）とトヨタテクニカルディベロップメント株式会社（TTDC）は、工場内の電力状況と環境の状態を可視化するための実証試験を開始しました。これにより、電力の無駄を減らし、効率的なエネルギー管理を目指す取り組みが進められます。

実証試験の背景

近年、脱炭素社会の実現が求められる中、工場のエネルギー効率化は重要な課題です。特に、環境むらと呼ばれる工場内の空間的な不均一さが、非効率な電力消費を引き起こす要因として注目されています。SIRCは、設置が容易なIoT電力センサユニットを利用し、リアルタイムで各設備の電力状況を見える化します。これにTTDCの開発した環境センサ「ECOREQUIRE」を組み合わせることで、工場内の課題や改善点を洗い出し、最適なエネルギー管理手法を検証します。

実証試験の詳細

- 実施期間：2025年6月から2026年3月まで
- 使用するセンサ：

- ECOREQUIRE（温度、湿度、CO2、気圧、風の流れを計測）
- IoT電力センサユニット（設備ごとの消費電力量を計測）

この試験では、複数のセンサデータを合わせて効率的に情報を可視化し、改善計画の立案を促進することが期待されています。これにより、工場環境の改善やエネルギーの最適化が進むとともに、持続可能な生産体制の確立に貢献することが見込まれています。

期待される成果

SIRCとTTDCの協力は、環境とエネルギーの改善を図るための新たなステップとなります。センサから得られたデータは、具体的な計画の策定を加速させ、工場の生産性向上に寄与するでしょう。また、持続可能な未来の実現に向けた重要な一歩となることが期待されています。

SIRCのIoT電力センサユニット

このセンサユニットは、以下の特長を持つ製品です：
1. 簡単設置：ワンタッチで15秒程度で後付けが可能
2. 高精度計測：独自方式で力率を計測し、正確な有効電力を把握
3. ワイヤレス設計：配線工事が不要で、手軽に設置できます。

これにより、工場のラインや設備ごとの電力データを正確に把握し、実効性のある省エネ施策を立案・実行できるようになります。