AI翻訳ツール「T-tact AN-ZIN®」の進化
翻訳会社十印が、AI翻訳ツール「T-tact AN-ZIN®」の新バージョンをリリースしました。今回のバージョン3.0は、最新の深層学習技術を用いており、特に翻訳精度が大幅に向上しています。過去のバージョンでは旧式のRNN方式を使用していましたが、新たに導入されたTransformer方式により、特にヨーロッパ系や東南アジア言語の翻訳精度が飛躍的に向上しました。この進化は、すべての翻訳エンジンが新モデルでの学習を行ったため実現しました。
翻訳精度の向上
今回のアップデートにより、ドイツ語から日本語への翻訳は、訳抜けや誤訳が大幅に減少しました。実際に得られたBLEUスコアは67となり、これは「高品質な翻訳」とされる基準を大きく超えています。Googleの指標によれば、BLEUスコアが60以上であれば、人による翻訳よりも高品質な場合が多いとされています。
新たに追加された言語ペア
バージョン3.0の導入により、翻訳エンジンでは合計10言語がアップデートされ、その中には英語と韓国語、イタリア語、ロシア語、アラビア語が含まれています。また、特許エンジンも日本語とフランス語のペアを新たに追加しました。これにより、T-tact AN-ZINの対応言語はさらに広がりました。
「T-tact AN-ZIN」の背景と導入実績
「T-tact AN-ZIN」は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)から技術提供を受けて開発されています。このプロジェクトには、翻訳データの収集を通じて日本の翻訳技術の向上を目指す「翻訳バンクプロジェクト」が含まれています。十印もこのプロジェクトに協力しており、内閣府主催の日本オープンイノベーション大賞にて総務大臣賞を受賞した実績があります。
2019年に正式リリースされて以来、T-tact AN-ZINは多くの企業に導入され、特に製造業や官公庁から高い評価を受けています。2021年2月には前年の売上を245%伸ばし、現在もその勢いが続いています。このような成長は、高い翻訳精度とセキュリティ、コストパフォーマンスの良さが評価されたためです。
今後の展望
十印は、AI翻訳の利便性をさらに向上させるため、継続的に技術革新を追求し、クライアントの要望に応えた翻訳サービスを提供していく考えです。高精度のAI翻訳を利用したい企業はぜひ、T-tact AN-ZINの導入を検討してください。
詳細は
こちらの公式サイトをご覧ください。