宿泊施設の課題解決に！愛媛県全域で「HoteKan」導入促進へ

宿泊施設の課題解決に！「HoteKan」が愛媛県全域で導入促進へ

愛媛県デジタル実装加速化プロジェクト「トライアングルエヒメ」に2023年度に続き、2024年度も継続採択された宿泊施設特化の施設管理アプリ「HoteKan（ホテカン）」。開発元の株式会社FRINGEは、本年度は道後温泉を超えて愛媛県全域の宿泊施設への導入を推進していくと発表しました。

インバウンド需要の拡大など、観光業界は活況を呈していますが、その担い手である宿泊業界は、「人材不足」「生産性の低さ」「施設の老朽化」「事業・知見承継」といった深刻な課題に直面しています。特に地方では、人材不足と施設の修繕やメンテナンスが大きな問題となっており、予約は多く入ってきても、客室を満室にできない宿泊施設も少なくありません。

「HoteKan」は、こうした課題解決に貢献するアプリとして、昨年度から道後温泉を中心に導入が進められてきました。清掃スタッフがスマホで客室設備の不備を写真撮影し、状態を入力することで、ホテルスタッフや工務店がアプリで状況を確認し、その後の対応をチャットでスムーズに連携できます。見積書や修繕完了後の写真もアップロードすることで、修繕記録や報告書がデジタルで管理され、過去の事例検索も容易になります。

さらに、消防機器点検やEV点検など法定点検の定期メンテナンスの報告書も整理できるため、ペーパーレス化も促進されます。

「HoteKan」導入による効果

「HoteKan」導入によって、発見から決裁、修繕完了までの時間が大幅に短縮され、故障事例の可視化も実現しました。実際に地震や大雨などの災害発生時に、インシデント（故障）を迅速に共有し、対応することが可能になりました。

本年度は、道後温泉に加えて、中予、東予、南予、今治・しまなみと愛媛県全域への展開を目指しており、インシデント共有、解決、分析機能に加え、日々の日常点検（食品衛生や水質チェック）や定期点検の記録・共有機能の開発も予定されています。

「トライアングルエヒメ」とは

「トライアングルエヒメ」は、愛媛県が推進する「デジタル実装加速化プロジェクト」です。デジタル・ソリューションと関連技術を県内事業者・自治体等に実装することで、地域課題の解決にチャレンジしています。「HoteKan」は、2023年度、2024年度の継続採択事業となっています。

「HoteKan」の概要

アプリ名: HoteKan（設備 / 備品）
価格: 設備: 33,000円/月、備品: 11,000円/月
公式HP: https://hotekan.com
動作環境: iOS/Android/WEBブラウザ

※HoteKan備品はWebブラウザのみとなっております。

株式会社FRINGEについて

企業名: 株式会社FRINGE
代表者: 苅谷治輝（代表取締役）
本社所在地: 東京都港区南青山2丁目2番15号 Win青山ビルUCF917号
設立: 2011年5月12日
事業内容: HoteKanのアプリ開発
コーポレートサイト: https://fringe.co.jp/

愛媛県全域への「HoteKan」導入：宿泊業界の未来を拓く可能性

「HoteKan」の愛媛県全域への導入は、宿泊業界の抱える課題解決に大きく貢献する可能性を秘めています。特に人材不足が深刻な地方においては、アプリを活用することで、業務効率化や作業の可視化を実現し、人材不足の解消に繋がるだけでなく、従業員の負担軽減にも効果が期待できます。

また、「HoteKan」は、施設の老朽化対策にも役立ちます。迅速な修繕対応が可能になることで、顧客満足度の向上だけでなく、安全性の確保にも貢献します。さらに、デジタルによる記録管理は、過去の事例を参考に今後の施設管理に活かすことができ、より効率的な運営を可能にします。

「トライアングルエヒメ」は、デジタル技術を活用することで、地域課題の解決を目指しています。「HoteKan」は、その取り組みの一環として、愛媛県全体の宿泊業界の活性化に貢献していくことが期待されます。

しかし、課題もあります。「HoteKan」の導入には、初期費用や運用コストが発生し、すべての宿泊施設にとって導入しやすいとは限りません。特に中小規模の宿泊施設では、導入のハードルが高いと感じる場合もあるかもしれません。

導入を促進していくためには、県や関係機関による支援や、導入事例の共有などが重要になります。宿泊施設側も、デジタル化への意識改革を進め、積極的に新しい技術を取り入れていくことが重要です。

「HoteKan」は、単なるアプリではなく、宿泊業界の未来を拓く可能性を秘めたツールです。愛媛県での導入拡大を通じて、宿泊業界の課題解決と活性化に貢献し、地域経済の発展に繋がることを期待しています。