株式会社ジェイテクト(本社:愛知県刈谷市、執行役社長:近藤禎人)は、軸受の設計分野において、モデルベース開発(MBD)による革新的な進展を実現しています。最新のMBDを用いることで、設計プロセスの効率化と評価解析の信頼性を向上させ、次世代の軸受設計に新たな可能性を切り開いています。
モデルベース開発とは、製品のモデルを基盤にシミュレーション技術を活用して開発を進める手法です。この方式を取り入れることで、製品開発のスピードアップと高品質化が期待でき、特に複雑な軸受設計においてその真価を発揮します。
新たに開発された設計基幹システムは、設計者が従来行っていた多様な計算をシームレスに処理できるため、手作業に伴う時間ロスを大幅に削減します。このシステムの導入によって、設計検討時間を従来の4分の1にまで短縮し、設計者の経験に左右されない一貫した高品質な設計を可能にしました。設計のばらつきが減少することで、製品の信頼性が向上し、顧客からの信頼も厚くなるでしょう。
さらに、株式会社ジェイテクトマグネティックベアリングが手掛ける新開発の評価試験機を利用することで、軸受の性能評価における信頼性も向上しています。この試験機は、磁気軸受を使用しているため非接触での高速回転を実現しています。具体的には、電気自動車の駆動系であるeAxleの高速回転性能に耐えうる45,000rpmまでの評価が可能になり、急加速・急減速でも15,000rpm/sまでの性能テストが行えるようになりました。従来の試験機では困難であった超高速域での評価が可能になったことで、製品の開発スピードがさらに加速することが期待されています。
今後、モビリティ社会が求める高速化や高効率化、信頼性の向上に応えるため、ジェイテクトはこの新たなMBDを駆使して、より性能の高い軸受の開発に取り組んでいきます。デジタルシミュレーションを通じて現象とのギャップを克服し、実際の製品に反映させることで、確実に信頼性を高めていく姿勢も素晴らしいです。
また、ジェイテクトは2030年までのビジョンとして、モノづくりの技術を駆使して社会のニーズに応えるソリューションプロバイダーになることを掲げています。これには、持続可能な社会の実現、つまりカーボンニュートラル社会の達成も含まれています。最大限の効率で製品開発を進めることが、結果として環境負荷の低減に寄与することを目指しているのです。
このように、ジェイテクトは自社が保有する技術資源を活用し、未来の製品開発においても技術革新を進めていく考えです。顧客からの信頼を得るための取り組みが続けられ、さらなる成長と進化が期待されます。今後も業界の先陣を切る存在として、顧客やステークホルダーに対して最適なソリューションを提案し続けることでしょう。