新たな視点「みる」
2025-04-28 11:32:50

視覚に特性を持つアーティストの新たな視点を体感する展覧会「みるものたち」

視覚の特性を持つアーティストが描く新たな世界



2025年6月4日より、株式会社リクルートホールディングスが運営するアートセンターBUGで、二人の独特な視覚を持つ美術作家による展覧会「中屋敷智生×光島貴之〈みるものたち〉」が開催されます。全盲の光島貴之さんと、色弱の中屋敷智生さんの作品を通じて、視覚に特性を持つことがどのように「見る」という行為に影響を与えるのかを探ります。本展は、アートワーカー向けプログラム「CRAWL」の一環であり、参加者同士のネットワーク構築やメンターとの意見交換を通じて新たなつながりを生み出すことを目的としています。

視覚の「みる」がもたらす多様性


本展覧会では、光島さんが木板に打ち込んだ釘の高低差を用いて、彼が体験してきた都市の風景を視覚以外の感覚で表現します。光のない世界での彼の感覚を、触覚とイメージで伝える試みは、観覧者に新たな発見をもたらすでしょう。一方で、中屋敷さんは、色の認識が異なることを活用しながら、遠近感や時間の流れについての独自の視点を提供します。色を見るという行為の背後にある意味や感覚のズレを理解することが、観覧者に新しい視野を提供します。

手で触れることができる展覧会の魅力


本展では、作品に直接触れることができます。光島さんの新作レリーフは、彼の住む街を表現したもので、観覧者は釘による高低差を手で感じながら、風を切る自転車のラインを想像できます。中屋敷さんの作品には、マスキングテープを用いた独自の絵画があり、キャンバス上での物質感を直に感じることができます。見るだけでなく、手で触れ、耳で音を聴くことで、本格的な体験を通じて新たな「見る」感覚を体験することができます。

新作の比較と共鳴


注目すべきは、二人のアーティストが同じテーマを基に制作した新作展示です。作品は背中合わせに並べられ、観覧者はそれぞれの作品に向き合いながら、一つ一つをじっくりと受け入れます。この配置によって、意識における境界が崩れ、観覧者はその作品と真剣に向き合う機会を得ます。視覚、触覚、聴覚を通じて新たな感覚を模索することで、視覚に特性を持つことへの理解が深まることでしょう。

交流の場としての展覧会


展覧会期間中には、関連イベントとしてトークイベントや対話型鑑賞も行われます。トークイベントでは、光島さんと中屋敷さんが自身の作品について語り、鑑賞者とともに「見る」という行為について深く考えます。また、対話型鑑賞では、視覚に障害のある人々とそうでない人々が一緒に作品を言葉で語り合います。このように、参加者はさまざまな視点からアートに触れ、共感を育むことができる貴重な体験を得られるのです。

結び


本展覧会「中屋敷智生×光島貴之〈みるものたち〉」では、視覚に特性を持つ二人のアーティストの作品を通じて「みる」という行為の奥深さを再発見する魅力的な体験が待っています。自らの視点を拡げ、他者とのつながりをより深めていく機会をぜひお見逃しなく。この展覧会が、多様性を理解し、共通の認識を豊かにする場となることを期待しています。


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会社情報

会社名
株式会社リクルートホールディングス
住所
東京都千代田区丸の内1-9-2
電話番号

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