官能都市ランキング2025年:LIFULL HOME'S総研の調査結果
2023年9月24日、株式会社LIFULLが展開するLIFULL HOME'S総研は、最新の研究報告書『Sensuous City(センシュアス・シティ)2025』を発表しました。この報告書は、都市や街の持つ魅力を新たに言語化し、社会との共有を目指しています。
センシュアス・シティとは?
『Sensuous City[官能都市]』は、都市の魅力を数値化するための新しい評価指標として2015年に提案されました。今回の2025年版では、工学や経済だけでは測れない、都市生活の身体的な記憶や関係性に基づき、「本当に幸せな都市とはどこか」、「住みたいと感じる都市の魅力をどう高めるか」を考察しています。
ランキングの概要
ランキングは8つの指標(親密な共同体、ひとりの公共性、ロマンス、文化・娯楽、食文化、街のライブ感、都市のリトリート、ウォーカブル)を用いて偏差値形式で評価が行われています。東日本編の第1位には、東京都の千代田区と中央区が輝きました。評価は以下のとおりです:
- - 親密な共同体: 85.6
- - ひとりの公共性: 78.7
- - ロマンス: 86.6
- - 文化・娯楽: 82.4
- - 食文化: 83.8
- - 街のライブ感: 78.6
このように高水準の数値を示しており、都市圏としての魅力にあふれています。続いて、2位には横浜市西区、3位には豊島区が位置し、各地の特性が鮮明に表れています。
指標の詳細と地域別評価
西日本編も併せて発表されており、東京圏以外では松本市が健闘し15位にランクインしました。松本市は「都市のリトリート」が69.2、ロマンスも62.6と高得点を獲得し、小規模な都市でもその魅力が評価されています。また、北海道の札幌市も独自の魅力で7位に入っています。
例えば、世田谷区は「都市のリトリート」部門で最も高いスコアを得ており、自然を身近に感じることができる環境が評価されています。文京区は「ウォーカブル」指標で最高のスコアを収めており、住環境の利便性が際立っています。
東日本編TOP30の比較
第11位から30位のランキングには、愛知、岐阜、群馬、山形なども名を連ねています。特に愛知県名古屋市の評価が高く、「文化・娯楽」と「食文化」が際立っています。一方で、地方都市は課題も抱えており、「ウォーカブル」指標で乏しいスコアを得ている事例も見受けられました。
感想と今後の課題
LIFULL HOME'S総研所長の島原万丈氏は、「2025年版では都市の中心部が強さを見せている」と評していますが、その中でも地方都市の魅力を再考する機会を持つことの重要性を訴えています。「都会域の逆襲」とも言える現状の中、今後は地方都市がどのようにして魅力を高めていくのか注目されます。
この調査結果は、住まいに関心のある方々にとって、都市選びの参考になるだけでなく、地域づくりや生活環境の向上に貢献していくと期待されます。今後もこのような取り組みが進むことで、より多くの都市が「官能的」と感じられる未来が訪れることを願ってやみません。