KAICO株式会社の新型コロナ抗原
2020-05-25 11:54:21

九州大学発のKAICO株式会社が新型コロナ関連の資金調達を実施

KAICO株式会社は、九州大学の技術を基に、新型コロナウイルスに関連した抗原および抗体の開発を進めており、最近シードラウンドの資金調達を成功裏に終えました。この調達により、同社はさらなる研究開発と生産能力の向上を図る方針です。また、企業が得た資金は、GMP(適正製造規範)に基づく生産設備の整備や、それに伴う人材の採用に使われる予定です。KAICOは独自のカイコを用いた生産プラットフォームを活かし、新型コロナウイルス向けに開発したSプロテイン三量体を基にした抗原を整え、複数の抗体との連携を確認しています。これにより、抗体検査キットの開発にも取り組んでいます。

この技術は、従来の感染症に迅速に対応できる柔軟性を持っており、新たに発生した感染症への即応性も高めます。カイコは医薬品やワクチンの大量生産を可能にするバイオリアクターの機能を提供し、メディカル分野での応用が期待されています。特に、難発現性タンパク質の大量生産が求められている今、KAICOの技術はますます重要な役割を果たすでしょう。

また、九州大学との連携は深く、農学研究院の日下部研究室が中心となって抗原と抗体の共同開発を行っており、学術界との強固なパートナーシップが支えています。これにより、KAICOの持つバイオリアクターとしてのカイコの能力が、医療分野におけるさまざまな製品開発に生かされる可能性があります。

今後、KAICOは抗原Sプロテインをワクチン開発の候補として位置づけ、製薬会社との共同開発を進める計画です。このように、KAICO株式会社は基盤技術の強化とともに、世界市場での展開を視野に入れた成長戦略を描いています。タンパク質製薬市場はますます進化している中で、KAICOのような革新的なベンチャー企業の登場は、医療分野における新たな治療法の発見に寄与するでしょう。

KAICOは、今後の製品展開が期待される企業であり、バイオ医薬品分野での新たな可能性を示す事例となることが期待されます。新型コロナウイルスに対応した技術だけでなく、治療薬が未開発の疾患にも対応可能な、生物学的なプラットフォームを構築し、持続可能な社会の実現に寄与することを目指しています。

会社情報

会社名
KAICO株式会社
住所
福岡県福岡市西区九大新町4-1福岡市産学連携交流センター
電話番号
092-707-4016

トピックス(科学)

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