京都先端科学大学 松波弘之特任教授が日本学士院賞受賞
この度、京都先端科学大学の松波弘之特任教授が、日本学士院賞を受賞したことが発表されました。松波教授は、同大学のナガモリアクチュエータ研究所に所属し、炭化ケイ素(SiC)の高品質単結晶化技術に関する研究でこれまでの功績が認められました。日本学士院賞は、明治43年に設立された権威ある学術賞で、日本国内の学術分野における特に優れた研究実績に与えられます。
松波教授は、ステップ制御エピタキシー(SCE)法と呼ばれる技術を確立し、これにより高耐電圧性と耐熱性を持つ革新的なパワー半導体の開発に成功しました。この技術は、エレクトロニクス分野における多くの応用を開拓し、電力変換の効率に貢献しています。特に、SiCを用いたパワー半導体は、サーバーやワークステーションの電源、太陽光発電システムのパワーコンバータ、さらには鉄道や電気自動車など、多岐にわたる分野での使用が広がっています。
松波教授のコメント
受賞に際して松波教授は、「長年の研究に対してこのような名誉な賞をいただけることを大変光栄に思います」と述べています。また、研究の道を歩んできた背景には1968年からのSiCの研究開始があり、彼はその情熱と忍耐により1987年に高品質なシリコンカーバイドの結晶を生成する技術を自ら確立しました。これが成果となり、世界中でのSiCを利用したパワー半導体の開発が進むきっかけとなりました。
松波教授は、受賞を通じて、若手の研究者や技術者に対して「独自の視点を持ち、他の人とは違う道を行く勇気を持つこと」を促しています。研究の成果が多くの人々の暮らしに貢献していることを誇りに思い、共に研究した仲間や学生への感謝の意を表しています。
松波弘之特任教授の経歴
- - 1939年: 大阪府に生まれる
- - 1962年: 京都大学工学部電子工学科卒業
- - 1964年: 京都大学大学院工学研究科電子工学専攻修士課程修了
- - 1970年: 京都大学工学博士号取得
- - 1976年: 米国ノースカロライナ州立大学で客員准教授として勤務
- - 1983年: 京都大学教授に就任
- - 2003年: 京都大学定年退官、名誉教授に
- - 2004年: 科学技術振興機構(JST)イノベーションプラザ京都 館長就任
- - 2018年12月: 京都先端科学大学ナガモリアクチュエータ研究所客員教授に就任
- - 2022年4月: 同研究所特任教授に
- - 2022年12月: IEEEエジソンメダル受賞
- - 2025年9月: SSDMアワード受賞予定
このように、松波教授は、長いキャリアにおいて数多くの業績を上げており、彼の研究は今後もエレクトロニクス分野での進展に寄与することが期待されています。