大和ハウス工業が物流企業向けに新サービス「GWES」を提供開始
大和ハウス工業株式会社は、2025年11月26日から同社が運営する物流施設に入居するテナント企業向けに、GROUND株式会社が開発した統合管理システム「GWES(ジーダブリューイーエス)」の提供をスタートします。このサービスは、初期投資が不要で月額定額制のプランによって提供されるため、物流業界に新たな便益をもたらしそうです。
背景と必要性
近年、物流業界では人員配置や在庫管理、配送手配などの業務がますます複雑化しています。しかし、初期投資が高いため、業務のデジタル化や最適化に手を出せない企業が多く見受けられました。これらの課題を解決するために、大和ハウス工業とその関連会社、さらにはGROUNDが協力し、サブスクリプション形式で新サービスを提供することとなりました。
GWESの機能と利点
「GWES」は、物流施設向けに特化したオペレーティングシステムであり、施設内の作業進捗や生産性、在庫情報をリアルタイムで可視化します。これによって、業務の自動化や効率化が進み、全体のオペレーションが最適化されるのです。特筆すべきは、AIと数理最適化技術によって作業量予測や要員配置などがリアルタイムに最適化される点です。これにより、属人的な判断によらず、業務運営が可能になります。
新サービスの「DPL・DPI向け特別プラン」は、テナント企業が月額利用料を支払うことで「GWES」を導入できるシステムです。このプランでは、初期投資やライセンス購入が不要で、大和ハウス工業とGROUNDがそれぞれ利用契約を締結します。
特徴的な料金制度
「GWES」には、二種類の料金プランが存在します。「可視化プラン」は坪あたり150円、「可視化+最適化プラン」は200円となっています。さらに、すべての支払いは建物の賃料とともに一括請求され、契約や口座開設が不要な点も大きな魅力です。
複数拠点の一元管理
クラウドサービスであるため、テナント企業が異なる「DPL」や「DPI」に入っている場合でも、複数の拠点情報を一元管理することができます。本部から各拠点の状況を確認できるため、業務効率化が図れます。
今後の展望
大和ハウス工業は、今後も物流施設のDX(デジタルトランスフォーメーション)を進め、デジタル化を支援していく計画です。上席執行役員の更科雅俊氏は、「近年の人手不足や業務の複雑化に対応するには、AI技術を活用することが不可欠」と述べ、物流業界全体の発展に向けた意気込みを示しています。
一方、GROUNDのCEO宮田啓友氏も、「『GWES』と大和ハウス工業の高品質な物流施設を組み合わせることで、さらなる効率性と生産性を実現できる」と自信を持って語っています。
まとめ
大和ハウス工業が提供する新しい物流管理システム「GWES」は、テナント企業の業務効率を向上させる新たなツールとして注目されています。初期投資の行き過ぎを防ぎ、より多くの企業がデジタル化の恩恵を享受できるような新サービスの導入は、物流業界に新たな風を吹き込むことになるでしょう。今後の展開が期待されます。