書道家の遺志を継いだ「いのり」が光る!「第30回全優石想いを込めたお墓づくりコンテスト」大賞作品
第30回「全優石想いを込めたお墓づくりコンテスト」の大賞に輝いたのは、群馬県富岡市の今井有美子さん(62歳)の「いのり」を刻んだ墓石でした。亡くなった父親は書道家であり、生前、自身の作品を墓石として残したいという願いを持っていたそうです。有美子さんは、その願いを叶えるべく、父親の代表作である「いのり」を墓石に刻み、見事大賞に選ばれました。
「いのり」は、書道の律動感、墨の濃淡、かすれ、滲み、跳ねなど、細部まで忠実に再現され、まるで書道展会場に佇む作品のよう。さらに、墓石の前には石材で表現された『硯』と『筆』が配置され、格調高い空間を演出しています。完成したお墓は、まるで展覧会を訪れるように、多くの人が訪れる場所となっているそうです。
個性あふれる受賞作品たち!弁護士バッジ型のお墓や水墨画が描かれた墓石も
今回のコンテストでは、大賞の他に特別賞3名、入賞8名が選ばれました。それぞれ個性的な想いが込められたお墓の数々が、受賞の栄誉に輝きました。
特別賞の1つは、岐阜県土岐市の伊藤知恵子さん(73歳)が亡くなった夫のために建立した、弁護士バッジ型のお墓です。伊藤さんは、夫の後押しもあり、43歳で司法試験に合格し、弁護士として活躍しました。夫との絆を象徴する弁護士バッジをモチーフにしたお墓は、夫への愛と感謝の気持ちが溢れる作品となっています。
もうひとつの特別賞は、山口県下松市の恵本正彦さん(81歳)の水墨画が描かれた寿陵墓です。恵本さんは、定年後に趣味で始めた水墨画を墓石に刻み、故郷の墓地に建立しました。竹と月を描いた作品は、恵本さんと奥様の思い出が詰まった、まさに「幸せなお墓づくり」の象徴と言えるでしょう。
特別賞のもう1つは、静岡県焼津市の志太記念脳神経外科が建立したお墓です。病院で長年共に働いてきたスタッフが亡くなったことをきっかけに、病院に関わるすべての人々を受け入れる、医療法人としての墓石を建立しました。
入賞作品には、大阪府東大阪市の宮下清子さん(76歳)が亡くなった夫の愛車であるアメ車のオープンカーをモチーフにしたお墓など、個性豊かな作品が揃っています。
お墓は「偲ぶ場所」そして「癒やしの空間」
これらの受賞作品は、単なる墓石ではなく、亡くなった方の個性や思い出、そして残された家族の想いを形にした芸術作品と言えるでしょう。お墓は、そこに眠る方の為だけのものではなく、残された家族や生前交流のあった方にとっても、亡き方を偲び、心癒す大切な空間であることを改めて実感させられます。
「全優石想いを込めたお墓づくりコンテスト」は、全国の優良石材店が参加し、心を込めたお墓づくりの素晴らしさを広く知らしめることを目的としています。このコンテストを通じて、より多くの人が、自分にとって大切な「お墓」について考え、想いを込めてお墓づくりをしていくことを願っています。