2024年度版 カスタマーサクセス活動調査レポート
レクシエス株式会社(東京都渋谷区)は、国内企業でカスタマーサクセスや関連活動に従事している人々を対象にした最新の調査結果を発表しました。この調査は、顧客体験の重要性が高まる中で、カスタマーサクセスが企業の持続的な成長にどのように寄与するかを探ることを目的としています。調査の結果は、多様化する顧客支援活動や、組織構築に関する課題を明らかにしました。
調査概要
調査は2024年6月24日から7月22日の間に行われ、全国から90名のカスタマーサクセスに関わる専門家が対象となりました。インターネットを通じて実施されたこの調査は、次のような重要なテーマについて洞察を提供しました。
多様化する顧客支援活動の状況
顧客支援の背景には、特にオンボーディング時の支援が重要視されています。調査によれば、83.3%の企業が「サービスの操作方法の説明」と「導入目的やゴールの設定支援」を実施していると回答しました。このように、初期段階では顧客が新しいシステムにスムーズに慣れるためのサポートが手厚く行われていることがわかります。
一方で、アダプション期における支援はやや受け身で、63.3%が「問い合わせ対応」、57.8%が「定期的なヒアリング」を選んでいます。しかし、高度な問題解決やコンサルティングを行う企業は少なく、25.6%や21.1%といった低い割合しかいません。これにより、より積極的かつ効果的なサポートの必要性が浮き彫りになりました。
さらに、カスタマーサクセス担当者が直面している主な課題は「成果の創出」で、53.3%の人がこれを挙げました。アウトカムを創出するための支援体制の強化が求められています。
カスタマーサクセス組織の現状
調査は、カスタマーサクセスの組織づくりに関しても明確なデータを提供しています。まず、カスタマーサクセス人材の採用時には、「問題解決力」が最も重視され、続いて「法人折衝経験・営業力」、「論理的思考力」が求められていることがわかりました。企業は自走できるコンサルティング営業人材を確保しようとしています。
社内で実施している教育プログラムの78.9%はOJTであり、ナレッジリストの提供やその他の教育手法が続きますが、リソース不足や知識・スキル不足、業務の属人化といった課題も大きな痛点となっています。
2024年の現状からは、アダプション支援の強化が求められており、リソースの拡充と人材育成が今後のカスタマーサクセスの発展には不可欠です。また、企業全体での意識改革や・戦略の見直しが急務であるといえるでしょう。
まとめ
この調査から明らかになった点は、カスタマーサクセス活動の高度化や多様化が進んでいる一方、アダプションに関しては支援が十分でないことが浮き彫りになりました。顧客の成果創出にむけた体制を強化していくことが、今後のカスタマーサクセスの成長に直結する重要なテーマです。