備蓄米購入実態調査から判明した消費者の本音とは?
最近の米不足により、安価で手に入る「備蓄米」がますます注目されています。食品スーパーマーケットに特化したメディア「スーパーマーケットファン」を運営するヴィヴァルディ・インク株式会社が実施したアンケート調査では、3,239人が参加し、実際の購入意向や流通に関するリアルな声が浮き彫りになりました。本記事では、その調査結果に基づき、備蓄米を巡るさまざまな意見と、背景にある消費者の価値観について掘り下げていきます。
調査の概要
この調査は、2025年7月10日から31日までの間にウェブアンケート形式で行われ、有効回答数は3,239票でした。調査項目は、主に「備蓄米は購入しましたか?」というシンプルな質問です。
調査結果は以下の通りでした:
- - 買う予定はない:1,359票(42%)
- - すでに買った:1,315票(41%)
- - 買いたいが入手困難:565票(17%)
この統計から見ると、購入をためらっている消費者が少なくないことが分かります。特に「買う予定はない」と答えた人たちには、明確な理由があるようです。
購入した層の反応
購入した人々には、「安価で助かる」というポジティブな意見が多くありますが、一方で、「品質のバラつき」や「保管による劣化」を不安視する声も目立ちます。
- - 「安くて助かります。もう2袋目に挑戦中です」
- - 「品質が気になりましたが、意外といけるかも」
- - 「タイミングが命なので、楽天やAmazonでの購入が鍵です」
このような声からは、購入したことによる「お得感」と、さらに高品質な米を求める「覚悟」が同居していることが伺えます。
購入をためらう理由
一方で42%の回答者が「買う予定なし」とした背景には、米の品質が重視される価値観が強く影響しています。具体的には以下のようなコメントが寄せられました。
- - 「おいしいお米を食べたい」
- - 「家族が少ないので、備蓄は必要ない」
- - 「米の味に妥協したくない」
- - 「やはり、普通のお米の方がいい」
このように、自家製や高品質な銘柄にこだわる姿勢が見えます。特に「米の味にこだわる」といった発言は、家庭の食文化にも大きく影響されることがわかります。
入手困難派の声
「買いたいが入手困難」という意見を持つ17%の人々の中には、「どこで売っているか分からない」といった情報不足が深刻な問題となっています。
- - 「近所のスーパーには取り扱いがない」
- - 「仕事終わりにスーパーに行っても売り切れ」
- - 「オンライン注文しても、一カ月経っても連絡がない」
このような意見からは、都心部と地方との間で格差が生じていることが見て取れ、また、工夫した購買方法が必要であるということも示唆されます。
社会的課題を浮き彫りに
備蓄米の需要が高まる中で、購入の可否や品質といった様々な意見が交錯することが分かりました。特に、「美味しいお米を食べたい」という消費者のニーズは、今後の流通や政策においても重要な指針になり得ることでしょう。
このアンケート結果は、単なる米の購入の有無を越え、消費行動とライフスタイル、さらには地域格差といった社会的な課題も映し出しています。今後も消費者の声を無視せず、持続的な供給体制が求められることは間違いないでしょう。